今年、巣立った幼鳥たちは10月になると親鳥と共に越冬地へ帰っていき、繁殖するために戻って来るのは2年後です。


アジサシの仲間は世界に44種類おり、繁殖期以外はほとんど海で過ごします。写真はそのうち4種類ですので、まだまだ多くのアジサシの仲間がいるということになります。集団営巣している鳥の上空を飛ぶ姿を見ると多いように見えますが、一気に数が激減する可能性も否めません。営巣地の減少やその近くの漁場の消滅は、アジサシなど海鳥の繁殖成功率の著しい低下につながります。また、マイクロプラスチックは鳥のみならず、すべての海洋生物、ひいては私たち人間にも影響を及ぼします。


[ID:5761] ハシブトアジサシ ( Gull-billed Tern ) : 資料情報

この機会に、特に並外れた長距離の渡りをするキョクアジサシの話をさせていただきます。今回、写真は載せませんでしたが、なにしろ「すごい鳥」なのです。毎年、北はグリーンランドから南は南極大陸まで、極から極へと90,000kmも旅をするのです。寿命が30歳として、キョクアジサシが一生に移動する全距離は地球と月との間を3回以上往復するのに等しいといわれています。ちなみにキョクアジサシは、私が名誉総裁を務めるバードライフ・インターナショナルのロゴマークに選ばれている鳥です。

コアジサシはアジサシという鳥の仲間で,小さいので「コ(小)」が付いています。英名も小さいアジサシを意味する「Little Tern」です。アジサシは漢字で「鰺刺」と書くのですが,魚を主食とし,水中に飛び込んで嘴で串刺しにして捕らえるというこの鳥の生態をよく表したネーミングです。ちなみにコアジサシには「鮎鷹(鮎刺)」という別名もあります。川魚であるアユを,まるでタカのように空中から捕獲する場面が想像でき,これも水辺でよく観察できるコアジサシの生態にちなんだものとわかります。
分類の視点で見ると,アジサシという鳥は広い意味ではカモメに近く(カモメ科),水辺で主に生活する点や,体の配色(上面は灰色で下面は白色)もよく似ています。カモメの中でも比較的小さく,翼や嘴は細長く,足は短いがアジサシといったところです。また,生態面の違いとして,カモメは死んだ魚や小動物なども食べますが,アジサシは基本的に生きた魚しか食べません。

新潟の野鳥 アジサシ・亜種アジサシ 成鳥の越夏例および第1回夏羽?

コアジサシは前回紹介したやと同じく,日本には繁殖のために渡来する夏鳥です。世界中に広く分布していますが,日本に来るコアジサシは冬は南半球のオーストラリアやニュージーランド付近で越冬していることが知られています。アジサシの仲間には南極と北極を行き来するキョクアジサシという,世界記録級の長距離の渡りをする鳥がいますが,コアジサシもかなりの長距離を渡る鳥といえます。
長旅を終えて日本に来たコアジサシは,休む間もなくペアの相手を探します。オオルリやキビタキのようなさえずりのできないコアジサシにとって,ペアを探すポイントになるのは「求愛給餌」です。オスがメスに魚をプレゼントし,メスが受け入れればカップル成立,交尾となるのですが,オスが魚を持ってきてメスが食べても交尾はOKしないこともあれば,メスがペア以外のオスと交尾することもあるようで,繁殖の主導権はメスがもっているといえそうです。なお,コアジサシは雌雄同色なので,1羽だけではオスかメスかを判断できません。求愛給餌や交尾のときだけ雌雄がわかるのです。
生存だけでなく,求愛に欠かせない魚のハンティングですが,コアジサシは巧みな飛行術で魚を捕らえています。よく見るのは水面上でホバリングしながら魚を探し,狙いを定めてダイビングして捕らえる場面ですが,急降下を途中で中止して急上昇し,改めて別の場所でホバリングをして魚を探すという離れ業もやってのけます。長距離の渡りを可能にする細長い翼は,本来ホバリングや飛行軌道の微調整には向いていないのですが,小柄な体を活かして次々に魚を捕らえてきます。
ペアが成立すれば5~8月に河原や川の中州,海岸などでコロニーという集団を作って繁殖します。集団で繁殖することで,カラス類やといった外敵から卵やヒナを守るのですが,多いときで1,000羽以上の集団となることもあります。卵は3~4個でふ化まではだいたい3週間,さらに3週間くらいで巣立ちをしますが,巣立ち後もしばらくは親からの給餌を受けつつ,夏の終わりごろには渡りのための集団を作り,9~10月には南へと旅立ちます。

コアジサシは現在,環境省のレッドリストで絶滅危惧II類(VU)に指定されています。これは一時絶滅が宣言され,近年ようやく増加傾向が見えると同じランクです。2020年に指定されたとき,多くのバードウォッチャーは「コアジサシがそんなに減っているのか」と驚きを隠せなかったといいます。コアジサシ減少の大きな要因は繁殖が成功しないことにあります。
コアジサシは河原や川の中州,海岸などにコロニーを作って繁殖すると紹介しましたが,これは「裸地」という共通した特徴があります。例えば近年の河川改修によって,川は氾濫しにくくなりました。それは人の生活にとっては良いことなのですが,定期的に川の氾濫がないと,河原や中州にはあっという間に草木が生え,裸地が消えてしまいます。また海岸も各地で砂浜の減少が心配されており,コアジサシの繁殖に適した海岸は減っています。狭い場所で小規模なコロニーしか作れなかった場合,コアジサシの卵やヒナを狙うカラスなどの外敵からの防衛力は低下し,コロニー全滅という事態も起きています。こうした繁殖適地の減少と,それに伴う繁殖失敗の増加により,近年のコアジサシの繁殖成功率は10%程度となってしまいました。
コアジサシの減少を食い止めるためにさまざまな取り組みが行われています。例えばコロニーに人が侵入できないように立ち入り規制を行うことや,造成地にコアジサシが営巣しそうな場合は工期をずらすことなどが提案されていますが,近年注目されているのが,人の手による繁殖地の創出です。例えば東京では排水施設の屋上でコアジサシがコロニーを作ったという事例があります。最初はコンクリートの上にそのまま卵を産んだため,卵が風で飛んだり,卵が目立ってカラスに捕食されるケースが多かったのですが,営巣環境を整えるために砂利を入れたり,除草や捕食者から逃げるためのシェルターを設置するなどした結果,繁殖に成功するケースも出てきています。
本来,裸地という環境は不安定なものなので,コアジサシもそれに適応し,良好な繁殖場所があれば,すぐにそこでコロニーを作るという,たくましく,柔軟な生態をもっています。コロナウィルス感染症の影響で航空機の発着が大幅に減った2020年の羽田空港で,突然コアジサシが繁殖したこともそれを物語っています。コアジサシが安心して子育てできる場所をどれだけ用意できるか,それがコアジサシ保全の大きなポイントといえます。

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海が恋しくなる季節となりました。夏の海といわれて思い描くのは、真っ青な空に白い雲、心地よい風、そして群れて飛ぶ海鳥でしょうか。今回は、海鳥の中では小さく、細長い翼と長く尖った、短い脚を持つアジサシの仲間を紹介させていただきます。

最初の写真は、アイルランドの島で撮ったものです。調査のために設置された小屋に身を潜めて撮影していると、近くに止まりました。巣にいるヒナのために魚を運んできた親鳥でしょうか。アジサシは飛びながら海面を見下ろし、水中の獲物を見つけると翼をすぼめ、猛スピードで急降下します。漢字で書くと「鯵刺」。鋭い嘴を下に向けて一気に水中に潜る様子が、を突き刺すように見えたことから名づけられたようです。

【日本の野鳥#17-121】アジサシ(Common Tern)

アジサシは、年に一度、4~8月頃に沖縄にやってきて産卵や子育てをします。
アジサシの親鳥は、産卵や子育てをするとき、周囲のようすにとても敏感になっています。

海岸や無人島で観光をするときには、近くにアジサシがいないか気をつけてください。


体と同様の特徴を持つアジサシ類1個体が,6月9日から13日のあいだ,日に数回洋二から飛来し,

コーネル大学鳥類学研究室は、データ駆動型の科学、教育、保全を推進するため、世界中のコミュニティとパートナーのためにeBirdグローバル・プラットフォームを構築しています。

世界の総個体数が100羽に満たない絶滅危惧種ヒガシシナアジサシの日本への飛来が初めて確認されました

中型のアジサシで、外洋や海岸、大きな湖などに生息する。成鳥は体が淡灰色で、頭が黒い。嘴の色は亜種によって異なり、多くは赤い嘴で先端が黒いが、アジアの個体は嘴全体が黒い。1年目は外側初列風切羽が黒く、肩の色が濃く、頭部の黒い部分が首の後ろに限定されている。キョクアジサシ、ベニアジサシに似ている。キョクアジサシよりもやや嘴が長く、尾が短く、体の色はやや淡い。光沢のある白のベニアジサシよりも尾が短く、全体的に色が濃い。特に夏の終わりには、大きな群れで見られることが多い。鳴き声は "KEEE-yurrrr"。

こんにちは!吉田です。本日の鳥類園の上の池に1羽の幼鳥のアジサシ類が飛んできました!その後、しばらく上の池上空を飛んでいました。

初夏から盛夏にかけて,海辺や川岸を歩いていると「キリリッ,キリリッ」という鋭い声とともに,まるでツバメのような形のスマートな鳥が飛んでいるのに出会うことがあります。夏の青空に映える白い姿の鳥,この鳥は最も身近なアジサシの仲間のです。

ヒガシシナアジサシThalasseus bernsteiniの日本初記録

コーネル大学鳥類学研究室は、データ駆動型の科学、教育、保全を推進するため、世界中のコミュニティとパートナーのためにeBirdグローバル・プラットフォームを構築しています。

千葉県周辺で見る事ができる鳥の図鑑サイト。身近に見かける鳥を探してみて下さい。

他のアジサシ類よりも濃い灰色。頭頂から後頭は黒く、額は鮮明な白。嘴と脚は黒い。非繁殖個体は、白い額が発達する。幼鳥は美しい豊かなシナモン色で、晩夏の短い期間に見られる。アメリカでの分布域は限られ、アラスカの海岸近くで繁殖し、アジアで冬を越す。他のアジサシ類の耳障りな声と大きく異なり、優しい声で鳴く。

クロハラアジサシ | 但馬の情報発信ポータルサイト「但馬情報特急」

春先の三番瀬に1羽だけいるところを撮影した。ユリカモメなどのカモメに混じって水際で休憩していた。しばらく観察していると、羽繕いを始めた。コアジサシよりかなり大きく見えた。

821 アジサシ Stock Photos, High-Res Pictures, and Images

アジサシの写真をご紹介します。
写真をタップすると、詳細ページを開きます。

[PDF] 6-19-2-204 c) 典型性 アジサシ類 (ア) 生息地の状況

帰化: 外来種の個体群は、自然界で繁殖し、何年も存続し、継続的な放鳥によって維持されていない(帰化個体群からの迷鳥を含む)自立したものである。これらは公式なeBirdの集計に含まれ、また、該当する場合は地域の鳥類記録委員会に受け入れられている。

2024.07.14 ベニアジサシ、クロハラアジサシ(兵庫県明石市)

帰化: 外来種の個体群は、自然界で繁殖し、何年も存続し、継続的な放鳥によって維持されていない(帰化個体群からの迷鳥を含む)自立したものである。これらは公式なeBirdの集計に含まれ、また、該当する場合は地域の鳥類記録委員会に受け入れられている。

2024.07.14 ベニアジサシ、クロハラアジサシ(兵庫県明石市) ..

暫定: 1) 野生で繁殖し、自己増殖し、複数年存続しているが、まだ帰化していない外来種個体群の一部 または 2) 由来不明の希少種で、迷鳥または飼育下由来の両方の可能性が考えられるもの のいずれか。該当する場合、eBirdでは一般的に「由来不明」の記録については鳥類記録委員会に委ねる。暫定的な種は、eBirdの公式集計に含まれる。

「アジサシ 系」のブログ記事一覧-トリトルノスキー (*´Д`)

暫定: 1) 野生で繁殖し、自己増殖し、複数年存続しているが、まだ帰化していない外来種個体群の一部 または 2) 由来不明の希少種で、迷鳥または飼育下由来の両方の可能性が考えられるもの のいずれか。該当する場合、eBirdでは一般的に「由来不明」の記録については鳥類記録委員会に委ねる。暫定的な種は、eBirdの公式集計に含まれる。

[ID:4835] クロハラアジサシ (Whiskered Tern) : 資料情報 | 天城町

人類の未来のためには健全な海が必須です。それも、アジサシが加速した時のようなスピード感をもって、速やかにグローバルな海洋汚染に対する取り組みを進めなくてはいけません。撮影に出ると、色々と考えさせられます。

ハシブトアジサシとコオバシギ・・・ | medaichiのブログ

奄美大島以南が主な繁殖地である。全体的に個体数は減少傾向にある。

モニタリングサイト1000海鳥調査報告書によると、奄美大島では、2005年以降、個体数、巣数は減少傾向にある。沖縄本島でも減少傾向にある。宮古島では、2009~2018年の10年間、400~500羽で維持されている。八重山諸島では、各島の全域に分散して営巣するため、個体群規模を把握し続けることは困難であるが、2001年以降ほとんどの島で減少傾向にある。

アジサシ · 科:カモメ科 · 学名:Sterna hirundo · 英名:Common Tern · 観察頻度:△

全長約30cmの雌雄同色の中型のアジサシ類。全体的に白色だが、背、翼の上面はごく淡い青灰色。最外初列風切外弁は黒い。過眼線から後頭部は黒色。尾は長く、中央尾羽は淡青灰色で他は白い。嘴は黒く、先端はわずかに黄色。足は黒い。

インド洋および西太平洋の熱帯・亜熱帯域に分布する。日本には夏鳥として奄美、沖縄、宮古、八重山諸島に飛来し、沿岸域のサンゴ礁や内湾の小島、植生のない岩礁や砂浜などの比較的視野の開けた場所で集団で繁殖する。ほとんどの繁殖地は多くても30巣程度で、まれに100巣を超える。岩礁のくぼみやサンゴ礫場に営巣する。八重山諸島では5月中旬頃に飛来し、6月中旬頃から産卵する。一腹卵は1~2卵で稀に3卵である。雌雄交代で抱卵する。幼鳥は親鳥とともに渡去する。遅くても10月上旬までには全ての幼鳥と成鳥が渡去する。

採餌の間は頻繁にホバリングし、軽快に飛び込んで水面直下から餌をとる。繁殖期の主な餌生物はキビナゴ類やトウゴロウイワシ類で、トビウオ類、サヨリ類、スズメダイ類の幼魚も捕食する。

コアジサシ | GOOPASS ANIMAL MAGAZINE

人為攪乱、鳥類による捕食、台風などの気象の影響がある。人為攪乱については、営巣地である島や岩礁に、海水浴や釣り、潮干狩り目的のレジャー客の上陸、写真撮影を目的としたバードウォッチャーの上陸が攪乱となっている。観光客がコロニー内に入り、卵を手に取ってしまうこともある。また、テグスに絡まってベニアジサシが死亡していた例もある。鳥類による攪乱としては、ハシブトガラスによる卵や雛の捕食、ハヤブサの襲撃による繁殖撹乱などがある。卵や雛の捕食や捕食者の侵入が頻繁に起こると、親鳥の抱卵、育雛の放棄が観察される。気象の影響としては、台風や熱帯低気圧に伴う波浪や海面上昇、風雨により卵や雛が流されたり、冷えて死亡する。台風による高波で営巣地が全滅した例もある。また、陸域からの赤土流出などによる採食海域の水質悪化も懸念されている。

漁業関係者からは、アジサシ類の主な餌となるキビナゴの水揚げ量が近年減少しているという話もあり、地球規模の環境変化が、餌生物の減少を引き起こし、アジサシ類の減少に影響を与えている可能性も考えられる。