報告されている。本研究では、マウスにインフルエンザA(H1N1)ウイルスを感染させてクラリスロマイシンを投
ご存じの通りワクチンはインフルエンザにかからないことを保証する物ではなく重症化を防ぐ物として接種しています。
現在日本では鶏卵を使用してワクチンを製造していますが、ここに一つワクチンの効果が落ちる理由が隠されています。
この対策として鶏卵を使わない新しい方法でワクチンを製造する方法が数年の間に始まる事になっています。
研究成果の概要(和文):鳥インフルエンザウイルス感染に対する新たな治療薬としてのクラリスロマイシン
さて実際インフルエンザに罹患してしまった場合、抗インフルエンザ薬を処方して貰うと思います。
薬を飲めば数日の間に解熱し快復に向かいますが、実は抗インフルエンザ薬を使用すると獲得免疫が非常に出来にくくなると言われています。
ところがクラリスロマイシンという抗生物質を一緒に内服すると抗体産生に強い味方となる事が分かってきました。
抗生物質としての効能以外の効果です。
インフルエンザは形が変わりやすいとは言え抗体が出来るメリットの方が大きいので最近はインフルエンザ薬と一緒に処方されることが増えてきています。
また既存の高脂血症治療薬の一部に脳症や脳炎の予防効果が見つかったり、栄養ドリンクに配合されているDADA(ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン)がウイルス量を減少させる可能性があることが実験で分かってきています。
実際にはその効果がまだ人で確かめられたわけではなく実験段階ですが、今後インフルエンザの治療において重要な役割を果たす可能性があります。
毎年世界各地で大なり小なりインフルエンザの流行がみられる。温帯地域より緯度の高い国々での流行は冬季にみられ、北半球では1~2月頃、南半球では7~8月頃が流行のピークとなる。熱帯・亜熱帯地域では、雨季を中心としてインフルエンザが発生する。
わが国のインフルエンザの発生は、毎年11月下旬から12月上旬頃に始まり、翌年の1~3月頃に患者数が増加し、4~5月にかけて減少していくパターンを示すが、夏季に患者が発生し、インフルエンザウイルスが分離されることもある。流行の程度とピークの時期はその年によって異なる。
インフルエンザ流行の大きい年には、インフルエンザ死亡者数および肺炎死亡者数が顕著に増加し、さらには循環器疾患を始めとする各種の慢性基礎疾患を死因とする死亡者数も増加し、結果的に全体の死亡者数が増加することが明らかになっている(超過死亡)。ことに高齢者がこの影響を受けやすい。
わが国の感染症発生動向調査における1999/2000~2003/04の過去5シーズン(前年第36週~翌年第35週)でのインフルエンザ届け出状況をみると、多い方から順に2002/03、1999/2000、2003/04、2001/02、2000/01シーズンであった。
インフルエンザの予防にはインフルエンザワクチン接種をお薦めします。 薬の効果 ..
○出席停止の期間(学校保健安全法施行規則の改正(平成24年4月1日施行))
・インフルエンザの出席停止期間の基準については、「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあっては、三日)を経過するまで」に変更された。尚、発症日、解熱日を0日として数える。
つまり、発症日を0日目として、三日目までに解熱した場合は、六日目から出席可である。
○備蓄薬の放出について(平成21年9月4日)
通常流通している抗インフルエンザウイルス薬の市場在庫の枯渇が予測され、新型インフルエンザを治療する医療機関及び抗インフルエンザウイルス薬を調剤する薬局において治療等に影響がある場合に「県備蓄薬」を放出する。
☆インフルエンザにクラリスロマイシンが有効
・大正富山医薬品株式会社のデータによると
①クラリスロマイシンの添加により、培養細胞におけるインフルエンザウイルスの増殖を抑制した。
②クラリスロマイシン投与により活発な線毛運動が維持され、ウイルスの増殖も抑制されていることがわかった。
③クラリスロマイシンはIL-12の産生促進を介して、粘膜免疫に重要なIgAなどの抗体産生を増強していることが明らかになった。
ということです。
東北大学の渡辺彰助教授によると「ニューキノロン投与の場合と比較し、マクロライド投与のほうが発熱回数、発熱日数共に有意に抑えられました。また、インフルエンザ様疾患患児にセフェム系抗生物質を投与した場合と比べ、マクロライド系抗生物質を投与した場合の方が発熱期間が有意に短縮し、肺炎合併率も減少していることがわかります。」ということです。渡辺彰:日胸62(9):819-827二宮恵子:JJ Antibio 56(A):84-86,2003 (2004.12.08記)
クラリスロマイシン インフルエンザはもちろん幅広くお悩み相談ができます
A型インフルエンザでは、数年から数十年ごとに世界的な大流行が見られるが、これは突然別の亜型のウイルスが出現して、従来の亜型ウイルスにとって代わることによって起こる。これを不連続抗原変異(antigenic shift)という。1918年にスペインかぜ(H1N1)が出現し、その後39年間続いた。1957年にはアジアか ぜ(H2N2)が発生し、11年間続いた。1968年には香港型(H3N2)が現れ、ついで1977年にソ連型(H1N1)が加わり、現在はA型であるH3N2とH1N1、およびB型の3種のインフルエンザウイルスが世界中で流行している。
わが国では、1999/2000~2003/04の過去5シーズンにおける分離インフルエンザウイルスを亜型でみると、AH1型は1999/2000、2000/01、2001/02の3シーズン連続してある程度分離されたが、2002/03、2003/04の2シーズン連続してほとんど分離されなかった。AH3型は過去5シーズン連続して分離されたが、2000/01シーズンには少なかった。B型は、1999/2000シーズンにはほとんど分離されず、2000/01、2001/02、2002/03の3シーズン連続してある程度分離され、 2003/04シーズンには少なかった。
一方、同一の亜型内でも、ウイルス遺伝子に起こる突然変異の蓄積によって、HAとNAの抗原性は少しずつ変化する。これを連続抗原変異(antigenic drift)という。インフルエンザウイルス では連続抗原変異が頻繁に起こるので、毎年のように流行を繰り返す。
A型またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1~3日間ほどの潜伏期間の後に、発熱(通常38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが突然現われ、咳、鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き、約1週間の経過で軽快するのが典型的なインフルエンザで、いわゆる「かぜ」に比べて全身症状が強い。とくに、高齢者や、年齢を問わず呼吸器、循環器、腎臓に慢性疾患を持つ患者、糖尿病などの代謝疾患、免疫機能が低下している患者では、原疾患の増悪とともに、呼吸器に二次的な細菌感染症を起こしやすくなることが知られており、入院や死亡の危険が増加する。小児では中耳炎の合併、熱性痙攣や気管支喘息を誘発することもある。
近年、幼児を中心とした小児において、急激に悪化する急性脳症が増加することが明らかとなっている。厚生労働省「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班」(班長:岡山大学医学部森島恒雄教授)で行った調査によると、毎年50~200人のインフルエンザ脳症患者が報告されており、その約10~30%が死亡している。臨床経過や病理所見からは、ライ症候群とは区別される疾患と考えられるが、原因は不明である。現在も詳細な調査が続けられている。
急性期の患者の咽頭ぬぐい液やうがい液などを検体とし、発育鶏卵羊膜腔や培養細胞(MDCK細胞など)に接種してウイルス分離を行う。
血清診断には、従来から補体結合法(CF)、赤血球凝集阻止反応(HI)などがあるが、いずれも急性期と回復期の抗体価の4倍以上の上昇で診断するので、確定診断には2~3週間を要する。CF抗体はウイルスの内部抗原を認識する抗体で、インフルエンザA,B,Cの型別はできるが、A型ウイルスの亜型の判別は不可能である。この抗体は感染後比較的速やかに消失することが多いので、比較的最近の感染の推定に利用することができる。HI抗体は感染後も長期にわたって検出され、また型別、亜型別の判定や抗原変異の程度を比較的簡単に測定することが可能であり、血清疫学調査やワクチンの効果を調べるのに有用である。遺伝子診断法(RT-PCR)も利用されるが、実験室内の交叉汚染や特異性の問題もあり、結果の判定・評価には慎重さが求められる。
最近は外来、あるいはベッドサイドなどで20~30分以内に迅速簡便に病原診断が可能なインフルエンザ抗原検出キットが、ことにわが国において広く利用されるようになり、臨床現場におけるインフルエンザの検査診断が容易になった。一方、その限界、抗ウイルス薬使用との関係など、新たな問題も一部生じている。
○うがいは効果あるでしょうか
ウイルスが気道上皮に付着してから上皮細胞内に侵入するまでの時間は30分程度と言われています。したがって感染をおこす環境においては30分おきにうがいを繰り返さないと効果はないと思われます。
コロナとインフルの検査を受けたが陰性で、マイコプラズマの可能性が高いと、クラリスロマイシンを処方してもらう。
○成人のインフルエンザ脳症
松本市の国立病院機構まつもと医療センターに勤務する40代の女性看護師が1月16日朝に自宅で38.7度の発熱があり、自宅近くの医院を受診。その最中に意識障害を起こして松本病院に救急搬送され、同日夕に松本市の信州大学病院に移された。17日朝にインフルエンザが原因で脳障害などを起こすインフルエンザ脳症で死亡した。松本病院によると、看護師はインフルエンザの予防接種を受けていた。看護師は10日にインフルエンザで入院した3人の患者の担当だった。持病はなく、昨年も健康診断を2回受けており、前日の勤務でも体調に変化はなかったという。(平成27年1月20日付信濃毎日新聞)
インフルエンザ脳症とは、ウイルスが脳に入って悪さをするのではなく、ウイルスに体の免疫が過剰反応して起きると考えられている。通常は小児がかかり、健康な成人は国内で1シーズンに1人かかるかどうかという極めてまれな病気だ。(平成27年1月21日付信濃毎日新聞 金井信一郎信州大病院感染制御室副室長談)
○季節性インフルエンザによる死亡者数
人口動態統計によると、過去10年間に季節性インフルで無くなった人は年平均約800人もいる。インフルをきっかけに肺炎などで亡くなった人の数を示す「超過死亡」という推定値でみても、季節性が流行した年は高齢者を中心に数千人~3万人が亡くなっている。(平成21年12月27日 読売新聞)
文科省は、インフルエンザの出席停止期間を学校保健安全法の施行規制で、「発症後5日」の出席停止を条件に加え、幼稚園児については、解熱後の停止期間も2日から3日に改めました。そこで、その妥当性検証するため、家庭内と学校内感染の疫学調査とウイルスの消失時間における調査を行いました。
ⅰ)家族内で乳幼児と学童が同世代に感染する割合は、21%と13%で、同世代への感染率は乳幼児の方が高くii)流行状況では、保育園で1)誰とも感染の影響を持たない単独罹患者21%、2)クラスにウイルスを持ち込んだ第1罹患者16%、3)先行の罹患者の感染初期に感染を受けた者62%、4)先行する罹患者の復帰後に感染を受けた者1%であり、小学校では1)30%、2)16%、3)48%、4)5%でした。iii)経時的なウイルス力価の検討から、薬剤投与開始からウイルス消失までの時間(中央値)は、乳幼児で4.1日、学童で2.9日及び薬剤投与開始から解熱までの時間はそれぞれ、1.7日、0.8日と差を認めましたが、解熱からウイルス消失までの時間には差を認めませんでした。
このことから、感染期間の判定は、解熱を基準にするのが妥当で、家族内で乳幼児に高い感染率がみられたものの、保育園で出席停止から復帰した児童からの感染は小学校より少なかったことより、出席停止期間を保育園児で長くする必要はないものと思われました。
さらに、薬剤別の薬剤投与開始からウイルス消失までの時間は、ラピアクタで2.2日、イナビルで3.2日、リレンザ で3.5日、タミフルで4.0日と有意差なく、薬剤投与開始から解熱までの時間はそれぞれ、0.8日、1.7日、1.1日、1.2日とラピアクタとイナビル間以外、有意差は認められなかったものの薬剤間に治療効果の違いがあることが示唆されました。発症からから解熱までの時間は治療開始の時間と薬剤に依存するため、早期の治療と薬剤の選択が出席停止期間を左右すると思われました。
抗インフルエンザ薬による獲得免疫抑制をマクロライド薬併用で阻止
2012-2013年シーズンは培養でAH3N2(香港型)が80%(平均年齢36.0歳)、B型が19.2%(同30.3歳)、H1N1pdmが0.8%(26.4歳)の混合流行で、成人~高齢者に多く、H3N2では60歳以上が19.8%を占めました。ワクチンは9歳以下の発症率が非接種群27.3%、接種群9.8%と有効で(p
ノイラミニダーゼ(NA)阻害は平均の解熱時間(投薬開始から37.5℃未満に下がるまで)がA型では23.0時間(ペラミビル)~28.1時間(ザナミビル、ラニナミビル)と有効性が高いものの、B型は32.2~46.8時間とやや有効性が低いという結果でした。また各NA阻害薬投与後(±5日目)のウイルス残存率はH3N2で10~20%前後、B型で20~30%前後で、ウイルス残存率は特定の発熱パターンと密接な関係を示しました。
また今シーズンは高齢患者が多かったことから、1回完結型吸入薬ラニナミビルの高齢者における有用性を検討しましたが、高齢者でも大部分の症例で吸入可能であり、80歳以上でも有効率が高いことが確認されました。
インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)感染症
COPDや気管支喘息は呼吸器ウイルス感染により増悪を来たすが、COPDの研究(Rohde G, et al. Thorax 2003)によると増悪の際の56%でウイルスを検出し、その種類はライノウイルス(36%)、A型インフルエンザウイルス (25%)、RSウイルス (22%)であった。クラリスロマイシン投与はこれらの難治性喘息およびCOPD増悪に対し予防効果がみられ、最近の報告(Albert RK, Connett J, Bailey WC, et al. Azithromycin for prevention of exacerbations of COPD. New Engl J Med 365: 689-698, 2011. )では、アジスロマイシンで増悪抑制、増悪頻度減少、最初の増悪までの期間延長、QOL改善およびウイルスに対する抑制効果がみられた。またインフルエンザ治療においてクラリスロマイシンを上乗せすると咳や鼻水に対し効果がみられる。
クラリスロマイシンの増悪予防効果の機序として気道クリーニング作用が挙げられるが、ニュージーランドからの報告(Simpson JL, et al. Am J Respir Crit Care Med, 177: 148-155, 2008)によると難治性喘息におけるQOL改善、喀痰中のIL-8、メタロプロテイナーゼ、好中球数 好中球エラスターゼの減少作用がみられ、難治性喘息におけるマクロライドの追加投与が重要であります(クラリスロマイシン 500mg x 2 daily)。
インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)感染症 - ..
○インフルエンザ脳症について (平成21年11月24日 国立感染症研究所感染症情報センター)
全国の医療機関から7月上旬~11月上旬に報告されたインフルエンザ脳症の患者が、28都道府県で計132人に上った。132例中、7歳が22例で最多、年齢中央値は8歳、15歳未満が98.5%であった。報告の大半が15歳未満で、最も多いのは7歳の22例だった。全体のうち男性35人、女性25人の計60人(1~24歳)について追加調査したところ、25人にぜんそくや熱性けいれんなどの基礎疾患(持病)や病歴があった。また、全員が意識障害を起こしており、発熱から意識障害が現れるまでの期間は発熱当日が12人、翌日が36人、2日目が8人と、大半が短かった。けいれんが31例、異常行動・言動が45例にみられた。転帰の回答が得られた59例中、死亡例3例(5%)、後遺症あり7例(12%)、治癒・軽快49例(83%)、入院日数2-39日(中央値9日)であった。
・新型インフルエンザの流行が本格化した9月下旬以降、インフルエンザに伴う異常行動の約6割が眠りから目覚めた直後に見られたことが、厚生労働省研究班(研究代表者=岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長)の調査でわかった。11月15日までに報告された151人について解析。全員が17歳以下で、発熱後2日目が約5割と最も多く、最も遅い例は4日目。具体的には「突然走り出す」(40%)、「おびえる」(33%)、「無いものが見える」(26%)――などが目立ち、高所からの飛び降りも6%あった。この傾向は、季節性インフルエンザとほぼ同じという。(平成21年12月9日 読売新聞)
・主な症状は、けいれんや異常言動で、脳症患者全体の8割にけいれん、2割に異常言動がみられる。患者は主に5歳以下。
2005年に厚生労働省研究班がガイドラインを作成し、メチルプレドニゾロンを点滴するパルス療法などが普及した。死亡率は、ここ数年は約8%で推移している。ただし、後遺症の割合は10年前と変らない。脳症になると、4人に1人の割合で知的障害やてんかん、手足のまひといった後遺症が残る。
今年の状況は、11月30日時点のデータによると、新型で脳症と診断されたのは78人。4~10歳と季節性よりも高い年齢に集中している。
症状にも季節性と違う特徴がみられるという。けいれんがあまり多くなく、異常行動が多いのだ。死亡したのは5人で、死亡率は季節性よりやや低め。
指針は9月に改訂され、炎症から脳を守るエダラボンという治療薬の使用も採用された。(平成21年12月25日 信濃毎日新聞)
[PDF] Nら;・二= 凍執着阜≒ †:二っこコ: ヽ 一
インフルエンザによる熱などの症状が改善しても、ウィルスが残存しているといわれています。実際にインフルエンザ発症後3日経過していても約8割の患者で残存しております。ウィルス残存率はA型よりもB型で高く、15歳以下の小児の方が16歳以上の成人よりも高い傾向にあります。しかし一般的には、抗インフルエンザウィルス薬を服用して熱が下がったり、症状が軽減したりすると、服用を中止してしまう傾向があります。タミフル(オセルタミビル)やリレンザ(ザナミビル)などの抗インフルエンザ薬は1日2回、5日間服用する薬剤です。ウィルスの残存に対しても、また周囲への感染を防ぐ意味でも5日間しっかりと服用することが重要と考えます。
[PDF] 抗インフルエンザウイルス剤『リレンザ』 処方に際してのお願い
○ワクチンの有効性について
・インフルエンザワクチンは、重症化や死亡の防止については一定の効果がありますが、感染防止に対しては効果が保証されるものではありません。
・いま日本で使われているワクチンは、以前にかかった人の免疫を高めるものであって、感染したことのないウイルスに対しては、効果が限られている(平成21年11月 日本医師会雑誌)
・インフルエンザワクチンは発症を防ぐ効果はあるだろうが、いったん発症すると、脳症の発病阻止には有効性がないということです。(平成21年11月 日本医師会雑誌)
・インフルエンザは気道から侵入するので、これを予防するためには気道で働くIgA抗体ができていることが必要ですが、現在の注射によるインフルエンザワクチンではIgA抗体はできずに、IgG抗体しかできません。IgG抗体はインフルエンザの重症化を防ぐのには役に立ちますが、気道から進入しようとするウイルスを局所で追い出すことはできないのです。(大阪大学大学院医学系研究科・免疫動態学 宮坂昌之先生 談)
・AP通信によると、ポーランドはワクチンを一切輸入していないが死亡率は他の欧州諸国と大差なかった。(平成22年2月24日 毎日新聞)
・医療従事者が再認識すべき、重要なインフルエンザワクチンの常識は、
①A香港型インフルエンザが流行した場合、高齢者にはほとんど効果がない。
②健康成人であっても、発病防止効果は40~50%でさほど高くないし、抗原変異があれば、健康成人での発病防止効果も大幅に低下する。
A香港型インフルエンザに対してワクチン効果が低い原因は、ワクチン製造の際の「鶏卵内での抗原変異」である。
鶏卵内での抗原変異は、H1N1/09にはなく、したがって鶏卵で製造したH1N1/09のワクチンは高い有効性がある。
日本では、B型インフルエンザに対するワクチン効果は低いというのが、一般的な意見である。しかし、欧米の報告を見ると、一定して50~70%の発病防止効果があり、それは小児でも高齢者でも変わらない。B型インフルエンザは、小児では入院の原因にもなり、学級閉鎖、休校を引き起こす。成人では、B型インフルエンザが流行しても、超過死亡の増加は見られず、高齢者やハイリスク患者での重要性は低い。
高齢者でのインフルエンザワクチンの重症化防止効果が強調されてきたが高齢者のワクチン接種率が高い米国、フランス、イタリア各国においても、超過死亡が低下しないことから、最近ではこのような高い重症化防止効果は疑問視されている。
菅谷憲夫 INFECTION FRONT Vol.35 P5-7 2015
[PDF] 1.令和3年シーズンのインフルエンザワクチン接種後 ..
○予防接種後副反応等に関する説明をしなければならない(平成21年10月13日 厚生労働省発健1013第4号)
・予診の際は、インフルエンザワクチンの効果や限界、リスク、製品特性(製造法、アジュバントの有無、チロメサール等防腐剤の含有の有無等)、インフルエンザの予防接種後の通常起こり得る反応及びまれに生じる重い副反応並びに健康被害救済制度について、優先接種対象者又はその保護者がその内容を理解し得るよう、「インフルエンザワクチンの接種に当たって」を用いて適切な説明を行う。
抗生剤と予防注射の関連はないので大丈夫です。免疫力には感染症の種類が関係します。 ホームへ.
先ずH5N1型高病原性鳥インフルエンザについて述べると、同感染患者の病態では、重症肺炎と全身感染が特徴的で、呼吸器感染+ウイルス血症を来たし、サイトカインの"嵐"による多臓器不全であり、小児・若年成人を中心に、致死率は60%以上です。これが20%ぐらいまで低下するとパンデミックを起こす危険性を孕んでおり、このウイルスのHAタンパクの僅か数か所のアミノ酸変異で、ヒト-ヒト間の感染伝播性を獲得(ヒト型に変化)する可能性があり、鳥の間での伝播拡大が続いていて、インドネシア、中国でブタに不顕性感染がみられ、鳥型ウイルスがヒト型へ変身しつつあることに注目したい。
またPandemic (H1N1)2009は幸いにも弱毒型で人々は助かったが、わが国では国家危機対応体制の欠陥と法的基盤に立つ健康危機管理体制の欠如が露呈したため、その反省から2013年4月に新型インフルエンザ等特別措置法が制定されました。
2013年2月19日に上海市で最初の患者を確認したH7N9鳥インフルエンザウイルスのヒト感染では、その後3~4月をピークとして、揚子江河口域を中心に10の省、市に拡大し、確認患者数135名、死亡42名(致死率30%以上)、中高年層が大多数を占め、(年齢中央値59歳)、男性:女性=2.7:1、患者の76%が基礎疾患をもち、高齢者は重症化し(致死率40%)、大多数は重症肺炎、多臓器不全に陥いるが、少数の小児、若年者は軽症、北京の6歳男児が不顕性感染でありました。
中国当局の正式発表(2013年7月まで)では、患者同士の接触歴無し、家族内感染・院内感染が疑われる例もある。継続的なヒト-ヒト間の感染伝播は確認されず、市場での家禽からの感染が主な感染経路で、約30%の患者には鳥との接触歴は無かった。8万羽の家禽の調査にもかかわらず、数ヵ所の市場で40羽の鳥(ニワトリおよびハト)でウイルス陽性のみ。養鶏場では検出されず、野生のハト1羽でウイルス陽性(ウイルス陽性の鳥は不顕性感染)、ブタでの感染は確認されず、5月下旬以後、新規患者の発生はなくなりました(終息宣言)。A(H7N9)鳥インフルエンザウイルスの性状は、3種類の鳥ウイルス由来の遺伝子再集合体であり、HAとNAはユーラシア系統の鳥ウイルス由来、6内部遺伝子は中国の鳥H9N2ウイルス由来で、鳥では不顕性感染、動物でも病原性は低いと予想され、ヒトに感染し、増殖し易く変化している。A(H7N9)ウイルスの性状は、マウス、フェレット、ブタ、サルなどの哺乳動物の呼吸器に感染が成立し、鳥型ウイルスよりも病原性は高まっている。
H5N1とは異なり、ウイルス血症や全身感染は起こさない。軽度のサイトカインストームを誘起する可能性があります。ヒト-ヒト間の効率の良い感染伝播は認められていないが、動物実験の結果からは、飛沫感染伝播が起こり得る。今後効率の良いヒト-ヒト間の感染伝播を起こすように変異する可能性があります。殆どのヒトは免疫を持たないので、パンデミックが起これば大きな流行が予想される。
1】インフルエンザ インフルエンザの患者報告数は、着実に増加して ..
ワクチンの有効性に関する研究では、ワクチンの接種を受けた人の方が受けていない人よりもインフルエンザ発生率が低く、ワクチンの有効性が示されました。インフルエンザワクチンは発病を100%抑えるほどの効果はありませんが、重篤な合併症や死亡を少なくし、感染してしまった場合でも症状を軽めに抑えることが期待できます。特に高齢者や小児、基礎疾患を有するに含まれる方は、流行が始まる前に余裕をもって接種するようにしましょう。