1日午前のニューヨーク外国為替市場では、米雇用統計の発表直後にドル売りが優勢となり、円は一時1ドル=151円79銭に上昇する場面もあった。
米国の「雇用統計」は、各国の数ある経済指標の中で最も重要度が高く、最も注目度が高い指標と言っても過言ではありません。米雇用統計が発表される毎月第1金曜日の夜はチャートやレートから目を離さずトレードに集中する投資家も多いようです。ここでは、米雇用統計に関する基礎知識から、注目すべきポイントやマーケットへの影響について詳しく解説します。
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米雇用統計と一口に言っても、発表される統計は複数あり重要度もまちまちです。FXを取引する上で、どの統計が重要で、外国為替市場に影響を及ぼすのか見ていきましょう。
米国雇用統計はアメリカの労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics、略してBLS)が毎月発表している経済指標です。アメリカの雇用情勢を表している指標で、調査対象者が多く労働市場の状況を把握できることから、FXトレーダーのみならず、世界中の市場参加者から最も注目されている経済指標です。
国際ニュースを起点に複雑な世界を読み解く「ワールド・デコーダー」。今回のテーマは、きょう最新のデータが発表される「アメリカの雇用統計」。
雇用統計は毎月12日を含む週のデータが集計され、基本的に翌月第1金曜日に発表されます。発表時間は、夏時間のときは日本時間午後9時30分、冬時間のときは日本時間午後10時30分です。発表日当日は雇用統計の発表時刻に向けて思惑的なドル買/売が出ることがあったり、取引が極端に手控えられて東京時間からロンドン時間にかけてになったりすることがあります。
2022年10月7日の雇用統計の発表を受けて、ニューヨーク外国為替相場では円売り・ドル買いが優勢となった。同年10月21日には、1米ドル150円を突破するなど円相場は大きく下落。このように雇用統計が為替相場に影響を及ぼすのは、なぜなのだろうか。
米国雇用統計が「為替」を動かす ? その仕組みを解説 | マネー
各国の中央銀行は、政策金利の調整で経済の安定を図っている。政策金利とは、中央銀行が民間の金融機関へ貸し付けを行う際に影響する短期金利 (誘導目標金利) だ。米国の中央銀行である米国連邦準備理事会 (FRB) が金融政策の方針を決めるとき、雇用統計は景気を判断するために重要な意味を持っている。
雇用統計で発表される統計は全部で10数項目あり、データも膨大です。この中で特に注目されるのは、非農業部門雇用者数(NFP: Non-Farm Payroll)と失業率、平均時給です。非農業部門雇用者数は自営業や農業従事者を除いた、民間企業または政府機関に雇用されている就業者数を表しており、事業所の給与支払い帳簿を基に集計されています。前月比での雇用者数の変化が極めて重要で、事前予想値と結果の値が大きく乖離することも少なくなく、為替市場だけでなく株式市場の値動きにも大きな影響を与えます。失業率は失業者÷労働力人口(失業者+就業者)によって求められます。失業率の変化によってマーケットが変動することも少なくなく、非農業部門雇用者数がほぼ事前予想通りの結果となった場合には材料視される傾向にあります。より精度を高めて労働市場を把握したい場合は労働参加率も一緒に確認するとよいでしょう。
雇用情勢を示す「雇用統計」は、発表と同時に為替市場を大きく動かす重要な指標の一つであることから、米ドルと円 ..
冒頭でもご説明した通り、米国雇用統計の発表前後はマーケットが大きく動くことも少なくありません。発表後にマーケットがどのような反応を示すのか、その傾向について説明します。
雇用統計のデータはの参考指標の一つであるため、将来の政策への期待感が為替レートに大きな影響を与えます。FRBはの引き上げや引き下げを検討する際に、労働市場の動向を把握する上で雇用統計のデータを重視しています。アメリカのは世界一位を誇り、その約7割が個人消費で占められていることから、個人消費の増減が経済に影響を与えやすい傾向があります。雇用統計のデータが改善することで、賃金が上昇し、個人消費の増加が期待できます。反対に悪化した場合は、賃金が低下し、個人消費の減少が懸念されます。こうしたことから、米国の労働市場のデータを把握することは経済全体を捉える上で重要であるため、米国雇用統計の発表時には為替相場が大きく動きます。
雇用統計の中で、失業率と並んで最も注目される指標のひとつ。事業 ..
雇用統計の「非農業部門雇用者数」の変化は発表数値が事前予想から大きく乖離することが多々あり、この性質から発表直後は為替レートが大きく動く傾向にあります。米国雇用統計発表前に各社の予想値が発表され、これを基にコンセンサス予想(平均値)が作り出されていきます。事前予想通りの結果となった場合には相場があまり変動しないことが多く、「失業率」などが材料視されることがあります。予想以上の結果となった場合には、株価が上昇してドルが買われる傾向があります。逆に予想を下回る結果となった場合には、株価が下落してドルが売られる傾向があります。
個人投資家に人気のあるドル円も米雇用統計発表後に大きく動くことが多いため、この日は取引高(ポジション)も増える傾向にあります。
【楽天証券】11/1「円安の終わりの始まりか? 今夜の米雇用統計で大波乱も」FXマーケットライブ
なぜなら雇用状況は個人所得や消費の増減に影響し、景気が良くなるか悪くなるかは「米国GDPの7割近くを占めている」という個人消費に左右されるからだ。一般的に雇用情勢の結果がプラスであれば米ドル高に、マイナスであれば米ドル安になる。
米雇用統計うけ2円あまり円安進む 約1カ月半ぶり1ドル=148円台に
失業率は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年4月には14.7%まで上昇していた。コロナ禍をきっかけに早期退職する人などが増え、働き手が減って労働市場は逼迫した。その後、経済状況が回復し企業が雇用を増やしたため、2022年7月には3.5%となる。
円相場 小幅な値動き 米雇用統計発表前に取り引き控える | NHK
具体的に、雇用統計の結果が良い場合と悪い場合の金融政策と市場との関係を見ていこう。
雇用統計の結果はアメリカの景気を如実に表すものであり、為替相場にも大きな変動が起こります。 雇用統計
一般的に雇用統計がプラス傾向だと個人所得・個人消費が上がり景気が良くなる傾向を示している。インフレ率が上がるため、FRBは政策金利を引き上げて景気の過熱を抑えようとするのが一般的だ。政策金利が上がれば市場金利も上昇するため、投資家にとって「金利の高い米ドルを買いたい」という動機が働きやすい。
【新興国通貨】ドル円のさらなる上昇は米雇用統計次第 ドル円 ..
みんなのFXが毎営業日掲載しているFXレポートでも、米雇用統計について触れることがよくあります。第1金曜日の前後は、こちらのFXレポートもぜひご覧ください。
【米国市況】米雇用統計後に円一段高、一時対ドル151円台-株は続伸
一般的に雇用統計が悪化している場合は、個人所得・個人消費が低下し景気が悪くなる。市場に出回るお金の量を増やすため、FRBは政策金利を引き下げて経済を刺激。市場金利が下がるため、投資家にとっては米ドルを保有しているメリットが薄くなり、結果的に米ドル売りが起こってドル安となる。
円高圧力、雇用統計で再上昇も 米製造業に弱さ 利下げ見通し深まる
2022年9月の米国雇用統計は、翌月の10月7日に発表された。統計によると失業率は同年8月の3.7%から3.5%に低下し失業者数は26万1,000人減少。非農業部門就業者数は、26万3,000人増加している。
[動画で解説]「今夜米雇用統計発表! ドル/円は円安加速か?」FXマーケットライブ
世界経済の中心ともいえるアメリカの経済指標で最も注目度の高い「雇用統計」がどのような経済指標であるのか紹介してきました。米国の労働市場を知ることはFX取引をする上で重要で、米国経済の先行きを予測する際にも役立ちます。特にリーマンショック以降、雇用統計を受けて相場が動くことが多く、FX初心者の方もしっかりとその意味を理解して取引に臨みたいです。「雇用統計」の発表日時や予想値は経済指標カレンダー見て確認するとよいでしょう。経済指標カレンダーはこちらからご覧ください。
[PDF] 2024年8月米雇用統計の注目点と予想される金融市場の反応
雇用統計では、発表前に市場の予想値が公表される。統計結果の市場への影響や評価は、前月や前年との比較よりもこの予想値との差異の大きさに影響されることが多い。予想値と発表された数値とが大幅に異なっていた場合は、為替相場の動きも大きくなりやすい。
NY為替:米雇用統計は予想下振れも長期金利上昇を受けてドル反発
雇用統計と為替相場の仕組みを踏まえたうえで、2022年10月の雇用統計がどのような意味を持ったのかを確認していこう。
NY円、反落 1ドル=149円25~35銭 米雇用統計受け日米金利差拡大
雇用統計は、米国労働省から原則毎月第1金曜日に前月分が発表される (夏時間では21時30分、冬時間では22時30分、いずれも日本時間) 。米国における最新の景気実体を表す指標として発表時には、世界中の投資家やメディアが注目し市場が動く。
期待はずれの雇用統計でも、ドル/円は 1月陽線引けとなりそう! そのワケとは? ..
10月に発表された雇用統計では失業率が上昇した。FRBは金利を上げ過ぎると金融引き締めでさらに失業率が高くなるため、今後は金利の引き上げ過ぎに注意する必要がありそうだ。そのため、今後はこれまでの0.75%という利上げ幅が縮小される可能性を指摘する専門家も少なくない。そして金利の上昇に一服感が出てドルの需要が下がり、米ドル安につながるかもしれない。
良い「悪い雇用統計」 日銀の利上げよりも強力な円高要因 | 藤代 宏一
毎月発表される米国雇用統計は、為替や株式市場に影響するため多くの注目を集める。その背景には、FRBの金融政策やそれを受けて米ドルの需要と供給が変動する仕組みがあるからだ。
米雇用統計(24年6月)-雇用者数こそ市場予想を上回ったものの
歴史的な円安が続く2022年の経済情勢では、外貨預金や外国株への関心も高まっている。投資を検討する際には、投資する国の雇用統計情報もしっかりとチェックしておきたいところだ。