[PDF] 投資環境の見通し(2024年8月号)市場の動揺とマクロ景気
世界的に大きなダメージを与えた新型コロナウイルスの蔓延による経済活動の停滞。そのコロナショックからいち早く立ち直ったオーストラリア経済を底支えしているのが鉄鉱石に代表される鉱物資源、液化天然ガス(以下、LNG)に代表されるエネルギー資源の輸出にあります。
近年は世界的にコモディティ価格が堅調に推移しており、この流れはインフレリスクのヘッジ手段としての需要を背景に続いていくことが想定されます。したがって、オーストラリア経済の成長見通しが堅持されれば、豪ドル/円相場も比較的堅調な推移となりそうです。一方、昨今のウクライナ情勢をはじめとした地政学リスクの高まりを受けて、商品相場のボラティリティは高まっているため、資源価格が変動する局面では豪ドル/円相場への影響には注意したいです。
米国・日本・ユーロ圏・中国の実質GDPや政策金利、ドル円・ユーロ円・ポンド円・豪ドル円の見通しをデータで表示しております。
年初から7月にかけて、豪ドル/円は円安の展開でした。
この要因として、日本と豪州の金利格差が指摘されています。
下のグラフは、豪州準備銀行(RBA)と日銀の政策金利の推移を示したものです。
2023年の豪ドル/米ドルは、基本的に52週MA(移動平均線)を大きく超えられない動きが続いてきた(図表2参照)。このような値動きは、2021年2月0.76米ドルから始まった豪ドル下落トレンドが続いてきた可能性を示している。経験的には、豪ドルが下落から上昇へトレンド転換するためには、この52週MAを大きく、長く上回る必要がある。
米ドル, ユーロ, 豪ドル, 中国元, レアル, ランド, NZドル
豪州の政策金利は2022年5月から上昇を始めた一方、日本の利上げは2024年3月以降です。
金利が高い通貨を保有すると金利収入が増えるため、市場参加者は金利が低い通貨よりも高い通貨を選好する傾向にあります。
これを受けて、豪ドル/円は円安が進んだ模様です。
コモディティ価格の上昇による貿易黒字は中国需要に依るところが大きいため、中国国内の経済動向や豪中関係の政治的変化にも気を配る必要があります。
現在の中国経済ですが、その足元は今まさに正念場を迎えているといっても過言ではないでしょう。2020年のコロナショック以降、初期段階では迅速なロックダウン(都市封鎖)やワクチン接種の進展から早期の経済立て直しに期待がかかりました。ただ、金融緩和による投資マネーの流入で不動産価格が高騰し、政府は住宅ローンや不動産開発企業への融資に規制を設けました。これを契機に中国市況は低迷をはじめ、中国恒大集団などが経営危機に陥りました。
足元でも、不動産を巡る不透明感が幅広く経済の足かせとなる展開が続いており、中国当局はその対応に様々な手を講じています。今後のオーストラリア経済の見通しを見極めるうえでも中国の政治・経済動向には目を向けておく必要がありそうです。
豪ドルが買われた。豪中銀は6月会合で政策金利を4.35%に据え置いたが、ブロック総裁は会合後に ..
しかし、7月以降は一転して円高が進み、売りが収まるとレンジ相場に移行しました。
この間、豪州の政策金利に変化は見られません。
日本の政策金利引き上げ見通しを受けて、円は他の主要通貨に対して強い展開でした。
豪ドルに対しても同様の動きが見られます。
豪米2年債利回り差は、足下で0.2%程度の豪ドル劣位です(図表2参照)。その一方で、日米2年債利回り差米ドル優位は3%を大きく上回っています。2022年の歴史的インフレ以降、先進国は軒並みインフレ対策で大幅な利上げに動いたのに対し、当初日本だけは金利上昇を抑制する政策を続けました。その結果、日本と米国など先進国の金利差は円劣位が大幅に拡大した一方で、日本以外の先進国間の金利差拡大は限られました。
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
足元の52週MAは0.66米ドル程度なので、豪ドルは2023年に複数回トライしたものの実現できなかった上昇トレンドへの転換を、足元で改めて試しているということになりそうだ。それにしても、なぜこれまで豪ドルは底打ち、上昇トレンドへ転換できなかったのか。
RBAはオーストラリアを見舞ったコロナショックに対応し、その経済支援の一端として政策金利を過去最低の0.10%まで引き下げました。その後、RBAが注視していたインフレ率や失業率などが改善に向かっていく中で利上げが進んでいき、一時停止を挟みながら2023年11月会合まで利上げを継続しました。2024年5月時点の政策金利は4.35%となっています。
現在は金利を据え置いていますが、インフレ動向とRBAの金融政策の行方が今後の注目ポイントです。
ユーロ相場の上昇基調継続を予想した。 豪ドルについては堅調地合いの継続を予想。
豪ドル/円は2024年7月にかけて110円寸前まで上昇し、2007年に記録したこの間の高値を更新しました。これは米ドル/円が161円まで展開する「歴史的円安」となるなど、円全面安が展開した影響が大きかったでしょう。このため、米ドル/円が8月にかけて一転して暴落すると、豪ドル/円も90円割れ寸前までやはり暴落となりました(図表5参照)。
以下の通貨建てのユーロ預金:豪ドル、カナダ・ドル、チェコ・コルナ、デンマーク ..
こうした中で豪ドル/円は52週MAを大きく割り込みました。その後の反発で一時52週MAを回復したものの、最近にかけて再び52週MAを大きく割れるところとなりました(図表6参照)。
[PDF] 投資のヒント 豪州準備銀行のタカ派姿勢が豪ドル相場の堅調を下支え
■RBNZが利下げを実施する
⇒市場予想は利下げと据え置きでほぼ半々
⇒織り込みきれていないため、ややサプライズの利下げとなる
⇒NZドルは売られる
⇒豪ドルは対NZドルで買われる
豪ドルとニュージーランドドルはともに約0. 9%下落した。 ユーロ ..
52週MAは11月末現在で100円弱ですが、過去の経験を参考にすると、下落トレンドに転換した豪ドル/円は、一時的な上昇局面でも52週MAを大きく上回ることなく一段安に向かう可能性が高いと考えられます。
RBA(豪中銀)とRBNZ(NZ中銀)による金融政策スタンスの乖離(拡大/縮小)やその見通しが引き続き豪ドル/NZドルの動意となりそう。
こうした中で、豪ドルは10月下旬以降すでに1ヶ月以上52週MA(移動平均線、11月末現在0.66米ドル)を下回ってきました。さらに52週MAを下回る動きが続くようなら、豪ドル/米ドルは小動きが続く中でも、基本的には下落トレンドが展開している可能性が高いとの見方になります(図表4参照)。
主要国・地域で景気減速懸念がくすぶり続け、豪州景気の見通しにも不透明感が強まるなか、RBA(豪州準備.
豪ドル/円の5年MAかい離率は、2024年7月に110円まで上昇した局面で25%程度まで拡大しました。これは、2007年に記録した過去最高にほぼ肩を並べるものでした(図表7参照)。その意味では、5年MAとの関係で見た場合、2024年の豪ドル/円はほとんど過去最高の「上がり過ぎ」という動きだったのでしょう。
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逆に、中国経済の回復が思わしくない場合、豪州経済にとってもマイナスに作用する可能性があります。
これは豪ドルの下落要因になると考えられます。
豪ドル、歴史的高値へ 33年ぶり108円台視野 物価上昇加速で
たとえば、豪ドルの金利が10%、日本円の金利が0%とします。
1年間100万円を運用すると、豪ドルは110万円に増えますが、日本円は100万円のままです。
ほとんどの方は、豪ドルで運用をしたいと考えるでしょう。
金利差の拡大が続けば、更に豪ドルへ資金が集まりやすくなります。
日本円を売って豪ドルを買うという行為が増え、その結果、2023年のような豪ドル高円安が発生するのです。
行きは豪州インフレ鈍化、日銀の政策修正等から小幅の豪ドル安円高を予想。
豪州は中国との貿易関係が強いことから、豪ドル/米ドルは上海総合指数など中国株との間に一定の相関関係が確認できます(図表3参照)。中国株の長期下落傾向が、小動きが続く中でも豪ドルの下落要因になっていた可能性はあるでしょう。
[PDF] 見通しサマリー 世界経済・金融市場見通し 主要資産の見通し 主要国
その後の豪ドル/円の下落により、5年MAかい離率も縮小しましたが、なお「上がり過ぎ」圏にあることには変わりなさそうです。その意味では、このような「上がり過ぎ」が是正される中で、2025年は豪ドル/円の下落トレンドが展開する可能性が高いと考えています。
満期後の払戻額などがすぐに分かる便利なシミュレーションツールです。対象 ..
そもそも、豪ドル/円の5年MA(移動平均線)かい離率は、2022年以降プラス2割近くまで拡大し、経験的には豪ドル高・円安の循環的な限界圏での推移が続いていた(図表6参照)。
▫ 企業の販売価格見通しは2年後以降が上昇基調で推移。企業の価格設定 ..
個人投資家Cさんには、3ヶ月後に満期を迎える円定期預金(200万円)があり、満期金の運用先に豪ドル建債券Dの購入を検討しています。
しかしCさんは、為替が今後円安に進むと予想しており、円高局面の今購入したいのが正直な気持ちです。
ドル円は 152 円手前まで上昇。1 月 1 日に発生した能登半島地震の影響で、日銀が復興支援のため
本日ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が政策金利を発表する。NZ4-6月期CPIは前年比+3.3%と1‐3月期の+4.0%から大幅に鈍化を示した。一方で、労働市場では4‐6月期の平均時給が1‐3月期から大きく上昇するなど、インフレ再加速に繋がりかねない材料もある。こういった状況で、本日のRBNZ会合の市場予想は5.50%での据え置きがやや優勢だが、0.25%利下げを予想するエコノミストも少なくない。市場予想が定まり切れていないだけに、利下げの有無を問わずにRBNZ後にNZドルは大きく動きそうだ。
オーストラリアはNZの隣国で、同じオセアニア通貨と一括りにみられることがある。そのため、RBNZ発表直後の豪ドルはNZドルにつれた動きとなりそうだ。ただ、一巡後は対NZドルでの豪ドルの動きに注視したい。
また、NY時間には米7月CPIが発表される。米国のインフレ動向をめぐり市場の注目が集まっているため、注意しておきたい。
豪ドルWeekly 07年以来の107円台、先進国で唯一利上げ ..
2023年、ユーロ/円などクロス円の多くが2022年までの外貨高値を大きく更新する中で、豪ドル/円は相対的に「上げ渋る」結果となった(図表5参照)。その一因は、すでに見てきたように、対米ドルでも豪ドル安が続いたことだろう。
午後3時のドルは156円前半へじり安、豪ドル/円1カ月ぶり安値
そこでCさんは豪ドル建債券Dの購入予定代金(200万円)とは別に20万円を用意し、1豪ドル=80円にてFXで為替ヘッジを行なうことにしました。