りんご1個が日本で100円, 米国で1ドルであれば、購買力平価は1ドル=100円


このように、為替レートに表れる長期トレンドは、購買力平価(インフレ率格差)だけでなく、国際収支動向や産業競争力などファンダメンタルズによっても形成される。ただ、為替レートはこうした長期トレンドだけでなく、2~10年程度のサイクルによっても変動し、通常は購買力平価を含む長期トレンドから乖離して推移する(図2)。


ドル円相場が購買力平価からかい離する事象は過去も生じていたが、短期的でありその後反転して

購買力平価に比べたドル・円相場の趨勢的な円安方向への乖離は、それだけ日本のモノが海外からみて安くなっていることを意味する。当然、海外への輸出やインバウンド(訪日観光客)需要の増加が直接的な円買い・円高要因になるほか、それによる景気好転も日本の金利上昇圧力・円高要因となり、購買力平価との乖離の一定の縮小圧力となる。

今後、主要国経済が底堅く推移し、各国の政策金利・長期金利が高止まりする限りは、ドル・円相場も高値(ドル高)での推移が続きそうだ。仮に主要国で景気が悪化し、政策金利が大きく引き下げられるようなことがあれば、ドル・円相場もサイクルに沿って相応に円高方向に振れるとみられ、購買力平価との乖離も一定程度、縮小していくことになるだろう。

日本はいつから“割安な国”に? GDPを購買力平価で眺めてみる

世界経済入門 ドル・円相場 「購買力平価」から大幅乖離 日本の競争力低下を反映か=橋本将司

研究員作成のIIMA-GMVI(グローバルな金融・資本市場のリスク度を表す指数)、購買力平価のグラフ及びデータ等

D 購買力平価説によると、日本の物価の上昇は円安の要因になる。 〔解答群〕

しかし、実勢のドル・円相場は、日本のリンゴが、品質が悪化した分だけ安くなるようにドル高・円安となる必要がある。つまり、ドル・円相場でみると、ここ数十年の日本の産業の国際競争力の低下(≒輸出減・輸入増)などが、購買力平価に対する緩やかな円安に結び付いている可能性がある。ただし、こうした構造変化はごく緩やかに進むため、急激な円安要因にはなりにくいと考えられる。

研究員作成のIIMA-GMVI(グローバルな金融・資本市場のリスク度を表す指数)、購買力平価のグラフ及びデータ等

購買力平価(Purchasing Power Parity: PPP)というのは,自国 ..

購買力平価とは、為替相場は、短期的に様々な要因で振れることがあっても、長期的には二国間の財・サービスの価格が均衡する水準に収束するという理論です。よく使われるのがマクドナルドのビッグマックの価格です。例えば日本で360円、米国で4.7ドルで売られているのであれば、そこから導かれるドル円の購買力平価は360÷4.7=76.59で、1ドル=76.59円です。2015年5月現在の1ドル=120円の円相場は、非常に円安ということになります。
購買力平価は、時系列的な均衡水準の推移を示すこともできます。日米間の価格差が小さい時点を起点として、その後1年のインフレ率が日本が0%、米国が3%だったとしますと、米国の方が通貨価値が3%下落しているのですから、1年後の為替相場も3%ドル安に均衡水準が移ったとみなします。この計算を繰り返して均衡点を連ねていくと、ドル円の購買力平価のグラフが書けます。この線と比べて実際の円相場が割安なのか割高なのか目安がつきます。ちなみに2015年4月時点を見ますと、実勢相場は均衡水準よりかなり円安にあることがわかります。日本は何でも安いと大勢の外国人観光客が来る一因はそこにあります。

したがって、一般的には、前述の83%を超える円の過小評価、すなわち、購買力平価と市場レートの乖離は、将来的に市場レートが同じ率だけドル安円高になることで解消されると予測できるだろう。


購買力平価説 深尾光洋の金融経済を読み解く 日本経済研究センター

一般的には、購買力平価は為替レートの予測モデルと考えられている。すなわち、日本の物価上昇率が米国のそれより相対的に低ければ、ドル円相場は下落すると理解できる。しかし、両者の因果関係は、購買力平価→市場レートの一方向とは限らない。

ドル円レートは、短期的には購買力平価が示唆する水準からは乖離をみせるものの、

■図表4 1971年以降のドル相場の購買力平価に対するミスアラインメント(%)

ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価 | 養田功一郎

しかし、市場レート→購買力平価の因果関係が存在するとすれば、日本の物価が同じ率だけ米国の物価より高くなること、すなわち、購買力平価が同率だけドル高円安になり、市場レートに収れんすることで、両者の乖離が解消する可能性もある。換言するなら、日本の突出した量的緩和は、まず大幅な円安を引き起こし、将来的には、日本においてハイパーインフレーションを引き起こすシナリオもあるということだ。

円安、「購買力平価ライン」突破か アジア景気に冷や水も 中元大輔

ところが、2011年以降は、購買力平価が引き続き円高トレンドを示す一方、市場レートは急速に円安となり、2024年6月には、購買力平価86円に対し市場レートは158円をつけるなど、円の過小評価が拡大してしまった。この時、83%以上にもなった大幅な乖離(かいり)率の拡大は、1971年以降では極めて異例であった(過去のピークは1982年10月の33.9%)。

購買力平価(PPP) | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas

これに対して、21世紀おいては、日本銀行による量的緩和を通じた財政赤字のマネタイゼーションが、既に購買力平価から83%も乖離した円安を引き起こしているが、これが今後ハイパーインフレを招来するリスクが高まっていると言えよう。ただ、それを誘発するトリガーやパスが何なのかは筆者には現状に皆目見当がつかない。

なぜ日本は米国よりも一人当たり購買力平価GDPの順位を下げるのか

図表3は、1971年以降のドル円相場と購買力平価(PPP)をプロットしたものである。岡崎教授の指摘通り、観察期間において継続して米国のインフレ率の方が相対的に高かったため、購買力平価は右肩下がりの円高トレンドを示し、それで沿うかたちで市場レートも2010年まで円高となっていた。

[PDF] ドル円相場の現状評価と展望 ~購買力平価との比較から~

日本の為替レートは、購買力平価対比で約4割も割安になっている。購買力平価は2024年1-3月に1ドル93.7円と、実際の平均為替レートよりも約4割安くなっているためである。これは、日本の物価が同様に約4割も割安ということでもある。2020年以降のコロナ禍でこの割安状態が急速に進み、日本の輸入物価を押し上げる作用をもたらしている。

円高?円安?10月の購買力平価(2024-10-04) | 銀行関連ニュース

過去2年について言えば、海外の強烈な物価上昇を背景として「相対的に物価上昇率に劣る日本の円の購買力が高まっている」という計算になるため、PPPが示唆する水準はとりわけ円高へ傾いてしまったという実情もある。

購買力平価とは米ドルの購買力が、日本でも等しい購買力水準になるように為替レートが決定されるという考え方です。

現在の円安が行き過ぎているから、ドルで稼ぐ国々の人にとっては、日本円で買い物をするのが超割安になっている。逆に、私たちが日本円を外貨に替えて海外旅行をすると、極端に割高に思える。円の購買力が低下している分、ドル表示の財サービスを購入するときに割高感を感じるからだ。

コラム:購買力平価で読み解くドル100円台「次の節目」=唐鎌大輔氏

1 本稿では、為替相場の「水準」に関する「絶対的購買力平価」に焦点を当てる。一方PPPには「相対的購買力平価」という仮説もあり、これを前提にすると二国間のインフレ率格差は為替相場の変化率と一致する。Rogoff(1996)は名目為替レートとPPPの乖離(=実質為替レートの均衡からの乖離)は3~5年の期間で半減すると指摘している。

米ドル高・円安が止まらなくなってきた。ただ他方で、米国の物価上昇などを主因に、日米の購買力平価は、基本的に下落(米ドル安・円高)が続いた。

筆者はこの実感を何とか「見える化」できないかと考えて、日本の物価の割安指数を作ってみた(図表1)。実際のドル円レートと購買力平価(PPP)のギャップを計算したものがそれである。結論を先取りすると、OECDが計算した購買力平価(2022年)が1ドル94.6円である。それを2024年1~3月まで延長して直近の購買力平価を試算すると1ドル93.7円であった。実際のドル円レート(平均148.5円)と比較すると、ドルと円の相対比率は93.7円÷148.5円×100=63%=▲37%も割安という計算になる。ざっくり言えば、日本人の購買力は約4割も低くなっているということだ。

為替については、購買力平価を基準として、中長期的に1ドル=113.5円と円高を予測した。 ..

この「どこまで戻るか」という点について、「山が高かった分、谷も相当深いのではないか」という恐怖感を抱く向きはかなり多いと思われる。その根拠として、購買力平価(PPP)が持ち出されるケースが多く、今後、色々なところで取り上げられることも増えてくるだろう。

外国為替について解説しました。ファンダメンタルズ・購買力平価など少しレベルをあげた分野を扱っています。連想させて学習してください!!

逆の見方をすれば、訪日外国人の購買力は約1.6倍(1.59倍)ほどリッチになっていることになる。日本円よりもドルの購買力が1.6倍に増価しているという意味だ。1990年代半ばの米財務長官は、「強いドルは国益」と連呼していた。弱い通貨は国家的な損失につながるという意味にも聞こえる。

【深める】為替相場と関連してやや難し目の指標4つ ①購買力平価

購買力平価が円高になったのは、日本の物価上昇率が、諸外国の物価上昇率より低いからだ。日本の物価上昇率が諸外国のそれより低ければ、為替レートが円高にならない限り、一物一価を維持することができないためである。

購買力平価から見る今のドル/円の水準 | アゴラ 言論プラットフォーム

図表3-3に見るように、IMFの購買力平価は、1980年代の前半には、1ドル=220円程度であった。その後、円高への動きが続き、現在では1ドル=90円程度だ。