欧州(ユーロ圏)の政策金利の推移 · 0.00 ; 英国(イギリス)
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
英国の政策金利の推移 · 0.25 ; オーストラリア(豪州)
オーストラリアでは2021年後半以降、インフレ率が中銀(準備銀行)の定めるインフレ目標(2~3%)を上回る推移が続いている。ここ数年の商品高や国際金融市場における米ドル高を受けた通貨豪ドル安による輸入インフレに加え、コロナ禍一巡による経済活動の正常化の動きも重なりインフレは大きく上振れして一時は33年ぶりの高水準となった。また、コロナ禍対応を目的に中銀は異例の金融緩和に舵を切る一方、経済活動の正常化による雇用回復やコロナ禍を経た生活様式の変化、国境再開を受けた外国人来訪者数の回復も重なり不動産市況は大きく上振れしてバブルが懸念される事態となった。こうした事態を受け、中銀は一昨年5月以降に物価と為替の安定化、不動産市況の鎮静化を目的に累計425bpもの利上げを断続的に行うとともに、昨年末以降は金利を据え置く姿勢を維持してきた。なお、上述のようにインフレは一時33年ぶりの高水準となるも、一昨年末以降の商品高や米ドル高の一巡を受けてその後は頭打ちに転じているものの、依然としてインフレ目標の上限を上回る推移が続くなど、金利高と物価高が共存して内需の足かせとなる懸念が高まっている。他方、コロナ禍を経て最大の輸出相手である中国との関係悪化の動きは中国経済を巡る不透明感の高まりと重なり外需の重石となってきたものの、足下では関係改善の動きがみられるなど外需を下支えする可能性は高まっている。このように景気には好悪双方の材料が混在する動きがみられるものの、足下の雇用環境は大都市部を中心に堅調な推移をみせるとともに、そうした動きを反映してインフレの粘着度の高さが確認されるなどインフレの高止まりを示唆する動きが確認されている(注1)。さらに、高金利が長期化しているにも拘らず大都市部を中心に不動産価格は上昇の動きが続いており、資産効果が家計消費を下支えするとともに、資産の約3分の2を住宅ローンが占める銀行セクターにとっても貸出態度の改善を通じて幅広く経済活動を下支えすることが期待される状況にある。このようにインフレ圧力に繋がる材料が山積するなか、中銀は7日に開催した定例会合において政策金利(オフィシャル・キャッシュ・レート)を4会合連続で4.35%に据え置く決定を行っている。会合後に公表した声明文では、物価動向について「依然として高止まりが続き、想定よりも緩やかに低下している」、景気動向についても「見通しは依然として極めて不確実」との見方を示している。その上で、先行きの政策運営については「インフレを目標域に戻すことが最優先」とするこれまでの考えを改めて強調した上で、インフレ見通しについて「緩和しつつあるがその動きは想定より緩やかで依然として高水準」として「インフレが持続的に目標域に収束するには時間を要する上、上振れリスクを警戒している」、「インフレを合理的期間内に目標域に戻す最も確実な金利の道筋は依然不透明であり、如何なる判断も排除しないが、データとリスク次第である」との考えを示しつつ「インフレを目標域に戻す断固とした決意は変わらず、この実現に向けて必要なことを行う」との考えを改めて示した。また、会合後に記者会見に臨んだ同行のブロック総裁は「データは不安定な動きをみせており、より長期的視点に立ってインフレを警戒する必要がある」との認識を示した上で、「金利はインフレを目標域に戻す丁度良い水準にある」との見方を示している。なお、同行は3月の前回会合において『タカ派』姿勢を幾分後退させる判断を示したものの(注2)、ブロック氏は「再利上げの必要はないと考える」としつつ「理事会では利上げの選択肢についても討議したが、必要であれば実施する」と述べるなど、再利上げの可能性を排除しない考えを示している。ただし、「経済がさらなる高い金利を我慢する必要がないことを望む」と述べるなど、本心としては利上げを望まない一方で「サービス物価の動向が深刻化すれば行動せざるを得ない」と述べるなど、サービス物価の動向を注視する考えを示した。その上で、「理事会はインフレリスクに警戒感を示している」としつつ、「政策リスクは概ね均衡しているが警戒が必要」として様子見姿勢を維持する考えを示している。会合後に公表した資料ではインフレが目標域に収束するのは2025年後半という従来見通しを維持する一方、政策金利は2025年半ばまで現行水準で据え置く見通しを示すなど、2月時点(今年半ば)から約9ヶ月先延ばしされるなど、同行が長期に亘って『タカ派』姿勢を維持する可能性を示したものと捉えられる。こうした状況を勘案すれば、豪ドルの対米ドル相場については引き続き米FRB(連邦準備制度理事会)による政策運営の動向に左右される展開をみせることは避けられない一方、日本円に対してはこのところの財務省や日本銀行による為替介入の動きに揺さぶられているものの、比較的底堅い展開をみせる可能性は高いと予想される。
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[PDF] 豪州金融政策と豪ドル相場の見通し(2015年4月)
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豪州準備銀行(RBA)は2ヵ月連続で政策金利を据え置き。RBA総裁は引き続き今後の追加利下げの可能性に言及。 ○
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米ドル / 円相場は、2008年の金融危機 (リーマンショック) で急激な円高・米ドル安が進行。ギリシャ危機、欧州債務危機でさらに「安全通貨」とみなされる円が買われ、2010年10月31日には戦後最安値となる1米ドル=75円32銭をつけました。その後、2012年12月に発足した第2次安倍内閣が大規模な金融緩和方針を打ち出したことをきっかけに、米ドル / 円のトレンドは円高から円安に転換。日銀が「量的・質的金融緩和」 (異次元の緩和) を実施したことや、米国が実質ゼロ金利政策の解除に向かったことで2015年6月5日には1米ドル=125円まで円安・米ドル高が進みました。
2016年には中国景気の悪化懸念や、英国のEU離脱などでリスク回避姿勢が強まり1米ドル=100円割れまで円高ドル安が進む場面がありましたが、11月の米大統領選挙でトランプ氏が勝利したことで財政拡張による景気回復期待が強まり、1米ドル=115円前後に戻しました。
2020年3月に新型コロナウイルス感染拡大に伴うリスク回避的な動きで急激な変動が見られた後は、各国が積極的な金融・財政政策を実施したことで金融市場が落ち着き、ジリジリと円高ドル安方向に進みました。しかし2021年には年初1月の1米ドル=102円台から11月23日には一時115円台まで大幅に円安ドル高が進みました。米国は新型コロナのワクチン接種や経済活動再開の動きで先行して景気が急回復したため、FRBが金融正常化に動くことを見込んで (実際は11月に資産購入額の減額=テーパリングを発表) 金利が上昇、米ドルが買われました。
2022年2月24日、ロシアのウクライナ軍事侵攻による「有事の米ドル買い」で米ドルがさらに上昇しました。3月にはFRBが金融政策を転換、連邦公開市場委員会 (FOMC) で利上げを決定しました。FRBの金融引き締めを背景に米ドルは独歩高となりました。その後も物価上昇圧力は収まらず、連続で利上げが行われました。日本経済にも貿易収支が赤字になるなど円安の素地があるなか、日米金利差の急拡大を背景に9月には米ドル / 円は144円台後半まで大幅な円安となり、日銀は24年ぶりに円買い・ドル売り介入を行いました。スピードの速すぎる円安は日本経済にとってマイナスとの判断もありました。
10月に1米ドル=151円94銭となり、1990年7月以来の米ドル高・円安水準をつけた後、米国インフレのピークアウト、利上げペース緩和の可能性が意識され始め、ドル安方向に転じました。
12月FOMCで利上げ幅が0.50%に縮小されると1米ドル=135円前後をつけました。さらに日銀が金融政策決定会合で予想外に長期金利の許容変動幅の拡大を決定すると、金融緩和の縮小に向けた動きと受け止められて円高が進み、2023年1月には1米ドル=127円台をつけるなど、非常に大きな値動きとなりました。
2023年3月には中堅銀行シリコンバレーバンクの破綻で一時的に金融市場が動揺し、安全通貨とされる円は1米ドル=130円程度まで買われる場面も見られました。
その後、米経済指標からは景気が底堅く、インフレがなかなか収まらないことが示唆され、期待されていたほどFRBが利下げに転じるのは早くないとの見方から徐々に米ドルが上昇しました。
4月には日銀の植田総裁が就任会見で現行の金融緩和を継続する姿勢を示したことを受けて、再び米ドル高円安基調となり、6月に約半年ぶりに1米ドル=140円台を回復しました。
円安が急速に進んだ6月~7月と9月~11月には、日本の当局から口先介入が入りました。
7月に日銀がイールドカーブ・コントロール (YCC) 、長短金利操作の運用柔軟化を決定、事前報道で1米ドル=141 円台から 138 円台へと 2 円以上円高方向に急変動する場面が見られましたが、日米の金融政策への思惑に上下されつつもその後11月までドル高円安傾向が続き1米ドル=151円90銭台と2022年の米ドルの高値に迫りました。
11月中旬ごろには一転して米ドル安円高基調となりました。米インフレ指標を受けて早期利下げ観測が高まったことに、日銀の政策修正の観測が加わりました。
12月末に反転して再び米ドルは高値をうかがう動きとなり、2024年2月には再び1米ドル=150円台にのせました。
3月に春闘で予想以上の賃上げが決定されたことなどを受けて日銀はマイナス金利を解除、金融政策正常化への一歩を踏み出しました。ただ、植田日銀総裁が当面は緩和的な金融環境を続けていく考えを強調したことで円が売られ、米ドル / 円は2022年の高値に再び接近しました。
4月の日銀金融政策決定会合で政策金利が現状維持され、その後の会見で植田総裁が円安について「基調的な物価上昇率への大きな影響はない」と言及したことで、一部で期待された円安を理由にした追加的な利上げはないとの見方から円が大きく売られ、一時1米ドル=160円台と1990年4月以来およそ34年ぶりの円安・ドル高水準を付けました。
これを受けて日本政府は為替介入に踏み切りました。4月26日~5月29日の為替介入額が9兆7,885億円と月次ベースの介入額として過去最大だったことが明らかにされています。
米FOMCは6月まで7会合連続で金融政策が維持され、メンバーのインフレ予想は引き上げられ、2024年中の利下げ見通しは3回から1回に減りました。ただ、物価指標が低下したことで利下げ思惑が残っています。
日銀は6月会合では注目されていた国債買い入れの減額決定を次回会合に持ち越し、再び円が売られるなど、日米金融当局の動きや経済指標で方向感の出にくい展開となっています。
それでも日米の金利差が大きいことに変わりはなく依然1米ドル=160円台後半での推移となっています (2024年7月現在) 。
2024年後半は、米大統領選挙の結果にも注目が集まります。
米ドルは基軸通貨としての性格上、戦争や紛争などで世界経済が不安定になると買われやすいという特徴があります。他の通貨から、流動性と信頼性が高い米ドルへ資金が逃避するためで、「有事の米ドル買い」と言われます。 また通貨政策も変動要因になります。1985年の過度な米ドル高を是正するために米国が主導し、日・英・独・仏の4カ国が同意したプラザ合意や、クリントン政権時代の米ドル高政策は、世界市場に大きな影響をおよぼしました。
そのほか、米ドルの変動する要因には、当然ですが米国の景気動向があります。簡単に言ってしまうと景気が良ければ米ドルは買われ、景気が悪ければ米ドルは売られる傾向があるのです。景気は金利に現れます。基本的には中央銀行が利上げをするのは景気が良い時です。例えば米ドル / 円では、米国と日本の金利差が拡大すれば米ドル高・円安、逆に縮小すれば米ドル安・円高になる傾向があります。現在の米国の利上げはインフレ対応という意味合いが強く、CPIなどの物価指標は非常に注目されています。金利差は相場に影響を与えるので、FRBの金融政策は通貨の動きを知るためにも大変重要です。また、日本はようやくデフレ脱却が見えてきました。日銀は2024年3月にはマイナス金利を解除するなど大規模な金融緩和策の変更を決定し、7月の金融政策決定会合では政策金利を0.25%に引き上げ、8月から国債の買い入れ額を4半期ごとに4000億円程度ずつ減らし、2026年1~3月に月3兆円程度にまで半減させることを決めました。一方、FRBは7月の政策金利の据え置きを発表しましたが、パウエル議長は「9月の利下げ開始もありうる」と明言しました。
米ドル / 円の動向に大きく影響する、日米の中央銀行の政策運営にも引き続き目を配りたいところです。
個人向け外貨普通預金の金利(有人店舗限定) ; 米ドル建て個人向け外貨普通預金(有人店舗限定) · 米ドル
豪ドル相場は、BRICsなどの新興国が台頭し、米国経済も好調だった2006年から2007年にかけて、資源輸出が大きく拡大し経常黒字が増加したことに加え、世界経済が安定的に推移したことも手伝って1豪ドル=80円台から107円台まで大きく上昇しました。
2008年9月にリーマンショックが発生すると、投資資金が一気に流出し1豪ドル=101円台から50円台まで急落しました。世界経済の混乱が豪ドル相場に悪影響を与える典型的な動きでした。しかし中国が大型景気対策を講じると、資源輸出の回復期待から豪ドルは反発へ転じ2010年4月には1豪ドル=88円付近まで上昇しました。さらにアベノミクスによる全般的な円安が始まると2013年4月には1豪ドル=105円台まで上昇しました。しかし2015年に入ると、関係の深い中国経済の減速や急激な原油安 (商品市況安) から豪ドル安となり、2016年6月には1豪ドル=72円台まで下落しました。
2020年初めから新型コロナの拡大によるリスク回避の動きが広がると、1豪ドル=80円付近から60円割れまで急落しました。しかし世界的な景気回復が始まると反発、エネルギーを中心とした資源価格の急騰も後押しとなって、1豪ドル=85円台まで反発した後、1豪ドル=80円付近を中心とした値動きとなりました。
2022年に入って、オーストラリアを含む各国の利上げが始まりましたが、日本が異次元緩和政策を維持したことから全般的な円安の動きとなって2022年9月に1豪ドル=98円台まで上昇しました。その後円相場が反発すると2023年に1豪ドル=86円付近まで下落する場面もありましたが、日経平均株価が40,000円乗せまで上昇する中、再び円売りが優勢となって2024年4月、豪ドルは約10年ぶりに100円台に乗せました。この間、日銀が2024年3月に2013年から続けてきた異次元緩和を終了し、約17年ぶりとなる利上げを決定しましたが、植田日銀総裁が「緩和的な金融政策を継続することが大切」などとしたことから円高の動きにはつながりませんでした。しかしRBAが2024年6月に追加利上げを排除しないと表明したことから、1豪ドル=105円後半と約17年ぶりの高値まで上昇しました。
ユーロ圏をはじめ主要国が金利引き下げサイクルに移行する中、オーストラリアが追加利上げをしたり、利下げ開始時期がさらに先送りされたりすると、豪ドルは一段と上昇すると考えられています。
NY為替:米利下げペース減速観測で米長期金利上昇、ドル反発 | 通貨
コロナ対策として大幅な量的金融緩和を行い9兆米ドル近くまで膨らませてきたバランスシートの縮小も行っています。
ヘッジを行うにあたり、円金利が豪ドル金利より低い場合、当該金利差に相当する.
先進国の中では歴史的に金利が高い通貨ですので、金利動向には敏感に反応します。またRBA総裁などの金融当局者や、政府閣僚などから、為替水準に関する発言が比較的多くあり、その内容が市場で注目されます。高金利を背景に投資対象として見られることが多いことから、世界が政治的、経済的に安定している時には豪ドル高になりやすく、反対に混乱すると豪ドル安になりやすい性質があります。
現在は輸出主導型から内需中心の経済へ移行しつつありますが、それでも豊富な天然資源や食料品の輸出は盛んです。したがって、世界的な景気に影響を受けることはもちろん、貿易相手として輸出入ともに第1位の中国の景気に左右されるため、自国の経済指標と同様に中国の経済指標も豪ドル相場に大きく影響します。また資源国通貨の側面もあることから、原油・鉄鉱石・金など資源価格の変動も、豪ドル相場を動かす要因となり、商品市況の動きにも注意する必要があります。
米ドル高、日米金利差が思ったより縮小しない可能性、本邦事業法人の米ドル買い遅れなどもあり、2025年の米ドル/円は堅調に推移 ..
豪ドルは先進国通貨でありながら資源国通貨の側面をあわせ持つ通貨です。資源価格が上昇すると豪ドル相場も上昇する傾向があります。
オーストラリアは歴史的に先進諸国の中ではインフレ率が高くなりがちなことから、金利も他の先進諸国よりも高くなる傾向があります。そのため、世界的に政治・経済が安定している時には金利狙いの資金が集まりやすく、豪ドルも高くなる傾向がある一方、突発的な混乱が生じると、一気に資金が流出して豪ドル安となることもあります。
米ドルやユーロなどと比べると、市場規模が小さいため、投資資金の移動が始まると一方的な動きとなりやすい特性もあります。また値幅も非常に大きく、変動のスピードも速くなることが多いため、余裕をもった投資を心掛けることが必要でしょう。
RBA政策金利発表後の豪ドルの動きです。 ご参考にしてください。
オーストラリアは世界第6位の広大な土地 (日本の約20倍) に約2,626万人 (2022年12月) の人々が暮らす国です。19世紀に全土がイギリスの植民地となって以来、主にイギリスからの移民によって人口が拡大しました。現在でも英国連邦に属し、英国のチャールズ3世国王がオーストラリア国王を兼ねていて、英国との親密な関係が維持されています。
先進国でありながら金、鉛、ニッケル、ウラン、亜鉛、鉄鉱石などを産出する天然資源が豊富な国です。そのため新興国の成長によって“資源ブーム”が起こった2003年から2007年頃には、オーストラリア経済も好調で、オーストラリアドル (豪ドル) は金利が高く、投資家の人気を集めました。しかし、新興国経済が減速した2016年以降は、経済成長が伸び悩み、金利も低下傾向でした。
輸出における資源・エネルギーの割合は約50%と非常に高いものの、実は鉱業がオーストラリアのGDPに占める割合は約10%とそれほど高くはありません。GDPの約70%は金融や公益事業、消費関連などのサービス業が占め、オーストラリア経済の主役となっています。移民政策も含め、先進国としては珍しく当面の人口増加が見込まれている点にも注目すべきでしょう。しかしやはり資源・エネルギーの輸出はオーストラリア経済の足元を固めています。その点で今懸念があるとすれば、輸出入ともに相手国として中国が第一位である点です。中国の景気に左右されやすく、今後の米中関係、中露関係の行方や、中国の太平洋への進出によって豪中関係に変化があると、大きな悪影響が出る可能性があります。
コロナ禍に対しては、当初は国境封鎖をはじめとする強力な感染対策による封じ込めに成功しましたが、その後、感染が拡大するとともに、第2の都市メルボルンでは累計で世界最長となったロックダウンが実施されるなど経済活動に深刻な悪影響が出ました。ただ、出遅れたワクチン政策が軌道に乗ったことで、2022年10月にはほとんどの規制が解除されました。
2022年2月にロシアが隣国ウクライナに軍事侵攻を開始して以来、オーストラリアを含む西側諸国はウクライナに物心両面で支援を続けていますが、ロシアに対しては経済制裁を科すなど厳しい姿勢を示しています。この間も中国は西側諸国と異なってロシアとの緊密な関係を維持しています。加えて中国による海洋進出をけん制することも目的のひとつとしてAUKUS (豪、英、米) やQUAD (日、米、豪、印) などの取り組みも始まっています。さらにソロモン諸島と中国が安全保障協定を締結したことをオーストラリアは強く懸念していて、今後豪中関係に大きな変化があれば経済へのネガティブな影響となることが考えられます。
長年高金利が魅力とされてきた豪ドルですが、コロナ禍後の利上げサイクルでは米英などに比べやや慎重な利上げペースとなっていました。中央銀行であるオーストラリア準備銀行 (RBA) は2022年5月に政策金利を0.10%から0.35%に引き上げて利上げを開始し、2023年6月までに4.10%まで引き上げました。その後アメリカの利上げが終了したとの見方が広まる中、しばらく様子見をしたものの2023年11月に再び4.35%へ引き上げました。
2024年3月、日銀金融政策決定会合で「賃金と物価の好循環を確認し、2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至った」として、2013年から続けてきた異次元緩和が終了され、約17年ぶりとなる利上げが決定されました。しかし植田日銀総裁が今後の金利の引き上げペースに関して「急激な上昇というのは避けられるとみている」と述べたことなどから、緩和的な金融政策が継続されると見られています。
一方RBAは2024年6月の理事会まで政策金利を据え置いていますが、「インフレ上昇リスクに引き続き警戒する必要があることが再確認された」「インフレ率を2~3%の目標範囲に戻す道のりはまだ長い」として、必要であれば追加利上げを排除しないと改めて表明しています。すでに2024年6月に利下げをしたユーロ圏に続いて、アメリカ、英国など主要国が年内に利下げに転じると見られる中、タカ派的な態度を崩していないオーストラリアは、他国との違いが際立つ形となっています。
【2024年12月更新】豪ドル/円のスワップポイント比較と今後の見通し
ドナルド・トランプ米大統領が中国に対する追加関税を示唆し、それに対し中国が報復を仄めかしたことにより、今週の市場では米中貿易戦争に対する懸念が高まっている。1.緊張高まる米中貿易戦争1日、トラン...
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2020年前半には新型コロナウイルスの感染拡大を受けて景気が急速に悪化しましたが、大規模な財政政策や緊急利下げなどの金融政策が実施され、経済を下支えしました。その後感染が収まって行動規制がなくなったことで経済は急回復しました。
一方で、2022年2月、ロシアがウクライナに軍事侵攻。両国の戦闘は長期化しています (2024年6月現在) 。米国景気への直接的な影響は限定的ですが、原油高、サプライチェーンの混乱により物価が上昇、高インフレを招きました。また、コロナの影響で働き方に変化がみられたことなどもインフレを押し上げました。
○基準利率の推移をご確認いただけます。 指定通貨, 基準利率 ..
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