以下は、豪ドル/日本円と鉄鉱石、の値動きを比較したチャートです。


「」でも述べたように、豪ドル相場の方向性を分析する上で、オーストラリアの経済指標を確認することは大切です。
その中でも特に、政策金利を決めるRBA(オーストラリア準備銀行)の動向は、投資家たちから大きな注目を集めています。
なぜなら、一般的に経済が安定している状態の時は、金利の高い国のほうに投資資金が流入しやすい(買われやすい)傾向にあるからです。


豪ドルを発行するオーストラリアは、格付けが良く信用リスクが低い国です。

以下は、豪ドル/日本円と香港ハンセン指数(HSI)の値動きを比較したチャートです。

たとえば豪ドルの金利は「+2.5%」、日本円の金利は「0%」と想定します。
仮に100万円の資金で1年間運用すると、1年後に豪ドルは「102.5万円」、日本円は「100万円」のままです。
(例では話を単純にするため、為替レート、税金などは考慮していません)

豪ドル/日本円の今後の値動きを、テクニカル分析から見ていきましょう。

たとえばTradingView(トレーディングビュー)を使えば、豪ドル/日本円と鉄鉱石、原油価格など様々な銘柄を比較できます。
(上のチャートもTradingViewを使用しています。)

豪ドルか日本円で資産運用する場合、どちらの通貨で運用したいと思うでしょうか?
大半の方は、豪ドルで運用したいと答えるはずです。
そうなると豪ドルを買い、日本円を売ることが多くなり、結果的に豪ドルの価格が上昇し、日本円の価格が下落します。
金利差がさらに開けば、豪ドルの買い、日本円の売りがさらに加速するのです。

以下は、豪ドル/日本円の日足チャート(2022年11月7日時点)です。

鉄鉱石や原油価格が上昇すると、豪ドル/日本円も上昇しており相関関係が見られます。
オーストラリアは輸出の大半をエネルギー・鉱物資源で占めているため、資源の価値が上昇すれば豪ドルにも追い風となるのです。
豪ドルを取引する際は、コモディティ市場にも注目しておくと良いでしょう。

このように金利の変動は、為替相場の動向に大きな影響を与えます。
豪ドルを取引する際は、RBA(オーストラリア準備銀行)の動向は欠かさず確認しておきましょう。

豪ドル/円【AUDJPY】:外国為替・リアルタイムFXレート・チャート

豪ドルは、エネルギー・鉱物資源などを豊富に有する世界有数の資源国通貨です。
全輸出の過半数以上が鉄鉱石や石炭などのエネルギー・鉱物資源で占められています。
そして、コモディティ市場との相関関係が見られます。

取引量が比較的多い豪ドル/日本円は、値動きが安定しやすく初心者の方でも取り組みやすい通貨ペアです。
ちなみに、マイナー通貨ペアの場合は、需給の偏りによって突発的な変動を起こす場合もあるので注意が必要です。


為替レート&チャート「豪ドル / 円」 | 情報・ツール | 外貨預金

豪ドル相場は、BRICsなどの新興国が台頭し、米国経済も好調だった2006年から2007年にかけて、資源輸出が大きく拡大し経常黒字が増加したことに加え、世界経済が安定的に推移したことも手伝って1豪ドル=80円台から107円台まで大きく上昇しました。
2008年9月にリーマンショックが発生すると、投資資金が一気に流出し1豪ドル=101円台から50円台まで急落しました。世界経済の混乱が豪ドル相場に悪影響を与える典型的な動きでした。しかし中国が大型景気対策を講じると、資源輸出の回復期待から豪ドルは反発へ転じ2010年4月には1豪ドル=88円付近まで上昇しました。さらにアベノミクスによる全般的な円安が始まると2013年4月には1豪ドル=105円台まで上昇しました。しかし2015年に入ると、関係の深い中国経済の減速や急激な原油安 (商品市況安) から豪ドル安となり、2016年6月には1豪ドル=72円台まで下落しました。
2020年初めから新型コロナの拡大によるリスク回避の動きが広がると、1豪ドル=80円付近から60円割れまで急落しました。しかし世界的な景気回復が始まると反発、エネルギーを中心とした資源価格の急騰も後押しとなって、1豪ドル=85円台まで反発した後、1豪ドル=80円付近を中心とした値動きとなりました。
2022年に入って、オーストラリアを含む各国の利上げが始まりましたが、日本が異次元緩和政策を維持したことから全般的な円安の動きとなって2022年9月に1豪ドル=98円台まで上昇しました。その後円相場が反発すると2023年に1豪ドル=86円付近まで下落する場面もありましたが、日経平均株価が40,000円乗せまで上昇する中、再び円売りが優勢となって2024年4月、豪ドルは約10年ぶりに100円台に乗せました。この間、日銀が2024年3月に2013年から続けてきた異次元緩和を終了し、約17年ぶりとなる利上げを決定しましたが、植田日銀総裁が「緩和的な金融政策を継続することが大切」などとしたことから円高の動きにはつながりませんでした。しかしRBAが2024年6月に追加利上げを排除しないと表明したことから、1豪ドル=105円後半と約17年ぶりの高値まで上昇しました。
ユーロ圏をはじめ主要国が金利引き下げサイクルに移行する中、オーストラリアが追加利上げをしたり、利下げ開始時期がさらに先送りされたりすると、豪ドルは一段と上昇すると考えられています。

東京海上アセットマネジメントの「外国為替グラフ 豪ドル/円」ページ。豪ドルの対円為替レートの推移をご確認いただけます。

先進国の中では歴史的に金利が高い通貨ですので、金利動向には敏感に反応します。またRBA総裁などの金融当局者や、政府閣僚などから、為替水準に関する発言が比較的多くあり、その内容が市場で注目されます。高金利を背景に投資対象として見られることが多いことから、世界が政治的、経済的に安定している時には豪ドル高になりやすく、反対に混乱すると豪ドル安になりやすい性質があります。
現在は輸出主導型から内需中心の経済へ移行しつつありますが、それでも豊富な天然資源や食料品の輸出は盛んです。したがって、世界的な景気に影響を受けることはもちろん、貿易相手として輸出入ともに第1位の中国の景気に左右されるため、自国の経済指標と同様に中国の経済指標も豪ドル相場に大きく影響します。また資源国通貨の側面もあることから、原油・鉄鉱石・金など資源価格の変動も、豪ドル相場を動かす要因となり、商品市況の動きにも注意する必要があります。

豪ドル/円最新推移チャート。1分足から月足までの12足種、ニュース、売買情報を表示。

冒頭でも述べたように、豪ドルはオーストラリアの通貨です。
かつては高金利通貨の代表的存在で、円キャリートレードが流行した2005年以降は政策金利が5%以上の水準を誇りました(2008年には約7%まで上昇)。

豪ドル/日本円先物 - 市況 · FX オプション取引換算ツール

店頭外国為替保証金取引、店頭CFD取引および店頭通貨バイナリーオプション取引は元本や利益を保証するものではなく、相場の変動や金利差により損失が生ずる場合がございます。なお、商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、当該商品等の「契約締結前交付書面」および「約款」等をよくお読みいただき、それら内容をご理解のうえ、ご自身の判断でお取り組みください。【注】お客様がお預けになった保証金額以上のお取引額で取引を行うため、保証金以上の損失が出る可能性がございます。
株式会社外為どっとコム 〒105-0021 東京都港区東新橋2-8-1 パラッツォアステック4階 TEL:03-5733-3065 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第262号 商品先物取引業者/一般社団法人金融先物取引業協会、日本証券業協会、日本商品先物取引協会

豪ドル, 98.14, 0.6234, 0.5998, 0.8964, 0.4975, 1

豪ドルは先進国通貨でありながら資源国通貨の側面をあわせ持つ通貨です。資源価格が上昇すると豪ドル相場も上昇する傾向があります。
オーストラリアは歴史的に先進諸国の中ではインフレ率が高くなりがちなことから、金利も他の先進諸国よりも高くなる傾向があります。そのため、世界的に政治・経済が安定している時には金利狙いの資金が集まりやすく、豪ドルも高くなる傾向がある一方、突発的な混乱が生じると、一気に資金が流出して豪ドル安となることもあります。
米ドルやユーロなどと比べると、市場規模が小さいため、投資資金の移動が始まると一方的な動きとなりやすい特性もあります。また値幅も非常に大きく、変動のスピードも速くなることが多いため、余裕をもった投資を心掛けることが必要でしょう。

豪ドル、一時急落 99円割れ目前 トランプ関税で経済見通し懸念

また豪ドルは、輸出割合がトップの中国経済や、コモディティ市場などの影響を受けやすい傾向もあります。
豪ドル系の通貨ペアを取引する際は、中国経済の動向やコモディティ市場の需給要因などにも注目すると良いでしょう。

豪ドルの強みを再度確認しながら今後の見通しを考えます。 (制作協力:レッグ・メイソン・アセット・マネジメント)

オーストラリアは世界第6位の広大な土地 (日本の約20倍) に約2,626万人 (2022年12月) の人々が暮らす国です。19世紀に全土がイギリスの植民地となって以来、主にイギリスからの移民によって人口が拡大しました。現在でも英国連邦に属し、英国のチャールズ3世国王がオーストラリア国王を兼ねていて、英国との親密な関係が維持されています。
先進国でありながら金、鉛、ニッケル、ウラン、亜鉛、鉄鉱石などを産出する天然資源が豊富な国です。そのため新興国の成長によって“資源ブーム”が起こった2003年から2007年頃には、オーストラリア経済も好調で、オーストラリアドル (豪ドル) は金利が高く、投資家の人気を集めました。しかし、新興国経済が減速した2016年以降は、経済成長が伸び悩み、金利も低下傾向でした。
輸出における資源・エネルギーの割合は約50%と非常に高いものの、実は鉱業がオーストラリアのGDPに占める割合は約10%とそれほど高くはありません。GDPの約70%は金融や公益事業、消費関連などのサービス業が占め、オーストラリア経済の主役となっています。移民政策も含め、先進国としては珍しく当面の人口増加が見込まれている点にも注目すべきでしょう。しかしやはり資源・エネルギーの輸出はオーストラリア経済の足元を固めています。その点で今懸念があるとすれば、輸出入ともに相手国として中国が第一位である点です。中国の景気に左右されやすく、今後の米中関係、中露関係の行方や、中国の太平洋への進出によって豪中関係に変化があると、大きな悪影響が出る可能性があります。
コロナ禍に対しては、当初は国境封鎖をはじめとする強力な感染対策による封じ込めに成功しましたが、その後、感染が拡大するとともに、第2の都市メルボルンでは累計で世界最長となったロックダウンが実施されるなど経済活動に深刻な悪影響が出ました。ただ、出遅れたワクチン政策が軌道に乗ったことで、2022年10月にはほとんどの規制が解除されました。
2022年2月にロシアが隣国ウクライナに軍事侵攻を開始して以来、オーストラリアを含む西側諸国はウクライナに物心両面で支援を続けていますが、ロシアに対しては経済制裁を科すなど厳しい姿勢を示しています。この間も中国は西側諸国と異なってロシアとの緊密な関係を維持しています。加えて中国による海洋進出をけん制することも目的のひとつとしてAUKUS (豪、英、米) やQUAD (日、米、豪、印) などの取り組みも始まっています。さらにソロモン諸島と中国が安全保障協定を締結したことをオーストラリアは強く懸念していて、今後豪中関係に大きな変化があれば経済へのネガティブな影響となることが考えられます。
長年高金利が魅力とされてきた豪ドルですが、コロナ禍後の利上げサイクルでは米英などに比べやや慎重な利上げペースとなっていました。中央銀行であるオーストラリア準備銀行 (RBA) は2022年5月に政策金利を0.10%から0.35%に引き上げて利上げを開始し、2023年6月までに4.10%まで引き上げました。その後アメリカの利上げが終了したとの見方が広まる中、しばらく様子見をしたものの2023年11月に再び4.35%へ引き上げました。
2024年3月、日銀金融政策決定会合で「賃金と物価の好循環を確認し、2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至った」として、2013年から続けてきた異次元緩和が終了され、約17年ぶりとなる利上げが決定されました。しかし植田日銀総裁が今後の金利の引き上げペースに関して「急激な上昇というのは避けられるとみている」と述べたことなどから、緩和的な金融政策が継続されると見られています。
一方RBAは2024年6月の理事会まで政策金利を据え置いていますが、「インフレ上昇リスクに引き続き警戒する必要があることが再確認された」「インフレ率を2~3%の目標範囲に戻す道のりはまだ長い」として、必要であれば追加利上げを排除しないと改めて表明しています。すでに2024年6月に利下げをしたユーロ圏に続いて、アメリカ、英国など主要国が年内に利下げに転じると見られる中、タカ派的な態度を崩していないオーストラリアは、他国との違いが際立つ形となっています。

豪ドル相場を支えると考えられます。 国際通貨基金(IMF)によれば、豪州の実質GDP成長率

一方、対中輸出が経済に占める割合が大きい国の通貨であるオーストラリアドル(豪ドル)、ニュージーランドドル(NZドル)、南アフリカランド、メキシコペソはかなり不安定な動きが見込まれる。

為替レート(対円) 為替レート(対米ドル) 基準レート/為替コスト

次ページでは、豪ドルやNZドルなど25年に注目の高金利通貨の予想レートとポイントを解説する。