NZドル/円(NZD/JPY)チャート 【リアルタイム更新】


このところのニュージーランド経済を巡っては、物価高と金利高の共存長期化が内需の足かせとなるとともに、最大の輸出相手である中国の景気減速が外需の足かせとなるなど、内・外需双方に不透明要因が山積している。なお、一昨年後半に一時30年ぶりの水準に昂進したインフレは、中銀(NZRB)による累計525bpもの利上げや商品高が一巡したことも重なり、昨年以降は頭打ちに転じたことを受けて、NZRBは今年8月にコロナ禍後初の利下げに舵を切った。さらに、その後もインフレは頭打ちするとともに、7-9月には前年比+2.15%とRBNZが定める目標(1~3%)の範囲内に収まるなど落ち着きを取り戻しており、RBNZは10月、11月と3会合連続の利下げに加えて、利下げ幅を拡大させるとともに、先行きも断続利下げに動く方針を示すなど『ハト派』姿勢を強めている(注1)。このようにRBNZがハト派姿勢を強める背景には、上述のように内・外需双方に景気の足を引っ張る動きがみられるとともに、比較的底堅い動きをみせてきた雇用を取り巻く状況も急速に悪化するなど、景気や物価の足かせとなる動きが顕在化していることも影響している(注2)。こうしたなか、7-9月の実質GDP成長率は前期比年率▲3.96%と前期(同▲4.21%(改定値))から2四半期連続のマイナス成長となるテクニカル・リセッション(景気後退局面)入りするとともに、中期的な基調を示す前年同期比ベースでも▲1.1%と前期(同▲0.3%)から頭打ちの動きを強めてコロナ禍の際以来のマイナス幅となるなど、景気に一段とブレーキが掛かっていることが確認されている。インフレ鈍化により実質購買力は押し上げられるも、雇用悪化や金利高に伴う債務負担の重さが家計消費や不動産投資の足かせとなるとともに、外需の低迷の動きも重なる形で企業部門による設備投資も下振れするなど、内・外需双方に幅広く下押し圧力が掛かる動きがみられる。分野ごとの生産動向を巡っても、天候不順の影響が一巡していることを受けて農林漁業関連の生産は底入れするとともに、資金流入の活発化を反映して金融部門の生産は拡大する一方、幅広く内・外需が下振れしていることを反映して製造業や鉱業、建設業のほか、金融以外のサービス部門の生産に下押し圧力が掛かるなど、幅広い分野で生産活動が低迷している。さらに、足下の企業マインドも上述のようにRBNZがハト派傾斜を強めているにも拘らず、雇用に対する不透明感が強まるなど内需を取り巻く環境が厳しさを増している上、中国経済を巡る不透明感のほか、米トランプ次期政権による通商政策の行方などへの警戒感が重石となる動きが続いており、景気の底がみえない状況が続いている。こうした状況を勘案すれば、RBNZは先月の定例会合において来年初めにもさらなる利下げに動く方針に言及するとともに、金利見通しでは短期的に利下げペースを一段と加速させる方針を示したなか、来年2月の次回定例会合では50bpないし75bpの大幅利下げに動く蓋然性が高まっていると判断できる。こうしたなか、国際金融市場では米トランプ次期政権による政策運営を警戒して米FRB(連邦準備制度理事会)がタカ派傾斜を余儀なくされるとの見方を反映して米ドル高圧力が強まるなか、RBNZによる大幅利下げが意識される形でNZドル相場は調整の動きを加速させている。先行きについても金融政策の方向性の違いを理由にNZドルの対米ドル相場は上値の重い展開が続く可能性が高まっている上、日本円に対しても同様に上値が抑えられる展開が見込まれる。


ニュージーランドは景気後退入り、NZドル相場に逆風が強まる展開

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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

NZドル/円(NZDJPY)のチャート、相場の状況と今後の見通し

※上昇要因・下落要因は現在の環境による一般的な目安であり、市場の注目度や見方により真逆の値動きになることがあります

NZドルはその性質上、市場の混乱による影響を受けやすいです。アメリカ合衆国ドルやオーストラリアドルをはじめとした国外通貨の予想外な値動きや、貿易収支の乱高下といった混乱が生じてしまいますと、値がつきにくくなることや、偏った値動きをみせることもあります。常に国内外の情勢を見極めた上での取引が重要となります。

NZドル/円(NZD/JPY) 日足 FX為替レート・チャート

やはり高金利通貨であることが、NZドル最大のメリットといえるでしょう。また、農産物の輸出を重要視しているお国柄であることから、貿易収支に注目をしていれば、急な値動きもある程度は予想がたてられます。FXでは通称「オージーキーウィ」と呼ばれるほどオーストラリアドルと連動性が非常に高く、相互連動の組み合わせとして取引が多く行なわれる傾向にあります。これは、ニュージーランドの貿易が輸出と輸入共にオーストラリアが20%前後と第一位のつながりを占めているなど、経済的な結びつきが特に強いことが要因として挙げられます。連動性の高い通貨と組み合わせることで、より安定した取引が見込めます。

ニュージーランドにつきましても、基軸通貨であるアメリカ合衆国ドルの値動きに大きな影響を受けます。取引量が少ないということから、急な激しい乱高下も充分に予想されますので注意が必要です。国内の市場としましては、農作物の輸出を重要視していますので商品市況の動きには注目しておくのが良いでしょう。オーストラリアドルとの連動性につきまして、相互を扱う場合はどちらかに偏りすぎず、リスクを取り過ぎないようバランスを保つのがポイントです。

NZD USD | ニュージーランドドル アメリカドル 相場情報

NZドルは投資家リスク意識の変化を反映しやすいという特徴もあります。株高などでリスクオンになればNZドルにとってプラス材料になる一方、リスクオフはNZドルにとってマイナス材料になります。

RBNZ(ニュージーランド準備銀行)の金融政策にも注目です。RBNZはインフレ目標を採用しており、前年比の消費者物価指数(CPI)上昇率が中期的に1~3%の範囲内に収まるように政策運営を行っています。RBNZの利上げ(利上げ観測が高まること)は、NZドルにとってプラス材料です。


NZドル/円 (NZD/JPY)|外国為替証拠金取引チャート

コロナ禍の影響に対処するため、2020年3月に過去最低の0.25%まで政策金利を引き下げたニュージーランド準備銀行 (中央銀行) は、2021年10月に主要国に先駆けて利上げを開始し、その後2023年5月には政策金利を5.5%まで引き上げました。それ以降2024年5月まで7会合連続で政策金利を据え置いています。この間の2024年3月、日銀金融政策決定会合で2013年から続けてきた異次元緩和の終了と約17年ぶりとなる利上げが決定されました。しかし植田日銀総裁の会見などから、緩和的な金融政策が継続されると見られています。一方ニュージーランド準備銀行は、利上げも検討するとし、利下げには消極的と見られたことからNZドルは堅調に推移しています。

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地理的に近いオセアニアの豪ドルに連動しやすいことからNZドル も資源国通貨のように思われがちですが、ニュージーランド経済は、原油や鉄、銅といった資源価格よりも、農産物市況に影響を受けます。
NZドルの金利は、歴史的に他の先進諸国よりも高くなる傾向があります。そのため世界的に政治・経済が安定している時には、金利狙いの資金が集まりやすく、NZドルも高くなる傾向がある一方、突発的な混乱が生じると、一気に資金が流出して急激なNZドル安となることもあります。
NZドルは、基軸通貨はもちろん豪ドルと比べても取引量が小さいので、基本的に変動幅が大きく、短期的に大幅に値が動きやすい通貨です。

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高金利を背景に投資対象として見られることが多いことから、ニュージーランドの金融政策の方向性が大きな変動要因であるとともに、世界が政治的、経済的に安定している時にはNZドル高になりやすく、反対に混乱するとNZドル安になりやすい性質があります。
また、ニュージーランドは酪農産業が大変重要な地位を占めているため、乳製品最大手フォンテラによる乳製品の買い入れ価格の推移 (GDTニュージーランド価格指数として発表される) が、NZドル相場に大きな影響を与えることが他の通貨と異なった特徴です。貿易相手として輸出入ともに第1位の中国、第2位のオーストラリアの景気に左右されやすい傾向もあります。

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ただ、経済規模が限られていること、金利が比較的高いことから、こうしたニュージーランド独自の要因よりも、時には世界経済の状況のほうが相場に与える影響が大きくなります。具体的には世界景気が上向きの時には投資資金が集まってNZドル高になりやすくなり、反対に世界景気が低迷するとNZドル安になりやすくなります。

豪ドルは対円では77円台後半に沈んだ。前週末に約1年4カ月ぶり高値となる78.46円を付けていた。

NZドル / 円相場は、2000年代の前半の好調な世界経済とともにリスク選好の姿勢が強まり、高金利通貨を求める動きが広がったことや、赤字続きであった財政収支が黒字に転換したことなどから、2007年半ばにかけてNZドル高・円安で推移し、1NZド=97円台まで上昇しました。しかし2008年9月にリーマンショックが発生すると、投資資金が一気に流出したことなどからNZドルは1NZドル=44円付近まで50%以上も急落しました。下げ幅が大きかったのは、先進国通貨や隣国通貨の豪ドルに比べて取引量が小さいことも一つの要因でした。2009年以降は、世界経済の回復とともにNZドルは買い戻され1NZド=60円台まで反発し、以降数年は比較的安定した推移となりました。2012年末からは、アベノミクスによって円安傾向が強まる中1NZドル=94円台まで上昇しました。しかし、2014年終盤からの急激な原油安や、ニュージーランド準備銀行が利下げを示唆したことなどの影響で、円高・NZドル安基調に転じました。
2016年以降70円台を中心とした値動きが続きましたが、2020年に新型コロナの感染拡大による世界的な景気後退が起きると、2020年3月には1NZドル=60円付近まで下落しました。しかしその後、コロナ禍からの回復期待でリスク回避の動きが後退したことから1NZドル=80円台を回復しました。さらに2021年10月にニュージーランド準備銀行が利上げを開始するとNZドルは上昇基調で推移しました。
2024年3月、日銀金融政策決定会合で2013年から続けてきた異次元緩和の終了と約17年ぶりとなる利上げが決定されました。しかし植田日銀総裁の会見などから、緩和的な金融政策が継続されると見られたことから、2024年4月には95円台まで上昇しました。4月末、急速な円安の動きに歯止めをかけようと財務省・日銀による円買い (対米ドル) の為替介入が行われたことから、いったんは90円台まで反落する場面もありましたが、その後も堅調な動きが続きました。一方ニュージーランド準備銀行は5月の会合で金融政策を据え置いたものの、インフレ圧力がなお続いているとして利上げも検討し、利下げ開始の予想も2025年4-6月から同7-9月へと先延ばしさせるなど利下げには消極的と見られたことからNZドルは堅調に推移し、6月には1NZドル=97円とおよそ17年ぶりの円安・NZドル高水準を付けました。

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南半球の島国、ニュージーランド(New Zealand) 。「北島」と「南島」を主として多くの島々から構成され、雄大な自然風景やアウトドア・アクティビティは訪れた人を魅了します。首都ウェリントンは、著名なガイドブックで「世界一魅力的な首都」に選ばれるほど注目を集め、最大都市のオークランドは自然と現代都市が見事に共存しています。日本とは真逆ながら四季がみられ、居住環境や治安の良さから留学先としても人気です。ニュージーランドには温泉文化が根付いており、日本との親和性を感じることでしょう。
ニュージーランドはイギリス連邦加盟国のため、英国や隣国の豪州との結びつきが強いという特徴があり、政治や金融政策が似通う点もあります。また、ニュージーランドは世界屈指の「酪農大国」として知られ、チーズやバターなどの乳製品輸出は世界トップクラスとして知られています。最大の貿易相手国は輸出入ともにGDP世界2位の大国、中国です。近年はこの中国との貿易額が急増しており、経済・景気面での影響力が大きくなっている点は一つの特色といえるでしょう。
そして記憶に新しいところでは、2020年の新型コロナウイルス感染症の発生時において、迅速かつ厳格なロックダウン措置を断行し、被害を最小限にとどめました。その後も他国に先んじて経済正常化への歩みを進め、2020年下半期には実質GDPがコロナショック前の水準付近まで回復するなどして世界の称賛を浴びました。

ニュージーランドドル(1 NZD), 87.46, 90.00

FX市場は、平日24時間取引される、”眠らないマーケット”と呼ばれています。主にはオセアニア→アジア→ヨーロッパ→アメリカのサイクルとなりますが、そのトップバッターを務めるのが、ニュージーランドの「ウェリントン市場」です。1週間の取引はこのウェリントン市場の朝から始まり、平日は前日の夜に取引が行われていたニューヨーク市場がクローズすると、再びウェリントン市場から為替市場の新たな1日がスタートします。個人投資家の方には馴染みが薄いですが、金融機関が取引を行う「インターバンク市場」では、ウェリントン市場のクローズを挟んでNZD系通貨ペアの受渡日が変わる習慣が残っています。
ウェリントン市場(日本時間朝方)では、主だったニュージーランドの経済指標が発表されるため、ニュージーランドドル (NZD)を取引する上では必ずチェックしたい時間帯となります。また、ウェリントン市場の時間帯では相場や値動きに特徴があります。1日の中ではとりわけ取引参加者が少ない市場となるため、流動性低下により値動きが軽い局面があります。また、週末に変動要因となりうるニュースが伝わった場合には、月曜日の早朝は前週末水準から上下にレートが乖離したり、荒れた値動きとなるケースもあります。

【見どころ解説!】NZ中銀会合でNZドルが急落!米CPI ..

隣国オーストラリアが資源国であるのに対して、ニュージーランドは人口約500万人の小さな国ですが、酪農関連、木材・木製品、果実類、ワインなどの輸出が盛んで、輸出全体の6~7割を一次産品で占める農業国です。その貿易相手は中国が3割弱、オーストラリアが1割台半ばといったところで、中国の景気に直接的、間接的に大きく影響されます。

豪ドル/NZドル:1.05000NZドル~1.13000NZドル

ニュージーランドの通貨であるニュージーランド・ドル(NZD)は、ニュージーランドを象徴する国鳥「キウイ(Kiwi)」になぞらえ、「キウイドル」の愛称で呼ばれています。オーストラリアドル(AUD)と同様にオセアニア通貨に分類され、メジャー通貨の中では、相対的に金利水準が高い局面が多いことから、投資家から高い人気を獲得してきました。そして、特筆すべきは、経済的な結びつきの強い中国の影響を受けやすい点です。NZドルの取引に際しては、オーストラリアや中国の動向もチェックしておくことで、ヒントが見えてくるでしょう。
押さえておきたい経済指標では、中央銀行のRBNZ(ニュージーランド準備銀行)による金融政策・政策金利発表が挙げられます。さらに、金融引き締めサイクルにある現在は、利上げに伴う経済・景気への影響を考慮する必要があり、GDPや消費者物価指数(CPI)なども注目されています。
このほか、NZドルは豪ドルと一括りに資源国通貨と言われることもありますが、先述の通り、ニュージーランドは酪農産業が重要な経済基盤であり、この点は毛色が少し異なります。そこで触れておきたい指標が、乳業大手フォンテラ社が行う乳製品電子入札の価格変動データGDT(グローバルデイリートレード)価格指数です。乳製品における輸出収入の増減という点でNZドル相場と相関がみられる局面もあり、NZ貿易収支の先行指標としてもチェックしておきたいです。

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ニュージーランドは近年、積極的な「ゼロコロナ」政策の実施により、着実な経済回復を成し遂げ、世界的な「アフターコロナ」を牽引しました。RBNZは、景気回復とそれに伴うインフレ進行を背景に、2021年10月には主要国に先行して利上げに踏み切ると、2023年5月まで12会合連続で利上げを実施し、政策金利はおよそ14年ぶりの高水準に達しました。これらを背景に、コロナショック以後のNZドル/円は、金利先高観を追い風に底堅さを保って推移し、2024年前半にかけては金融引き締め政策が維持される中で99円台に乗せました。
他方、RBNZはインフレ圧力の低下を受けて、8月会合にて利下げを発表、金融政策の転換へと舵を切りました。政策金利の事前予想が据え置き・利下げで割れていたことでサプライズ感が強く、声明文で今後の追加緩和の可能性が示唆されたことで、NZドル売りが拡大しました。このほか、日銀が長らく続けたマイナ金利政策を終了し、7月には追加利上げを実施したことで、金利差縮小の思惑や「円キャリー」トレードの巻き戻しによって円買い優勢となりました。NZドル/円は一時83円台まで押し込まれましたが、その後は下値を切り上げ、足元では節目90円台近辺で推移しています。